化学ルミネセンス(読み)カガクルミネセンス

百科事典マイペディアの解説

化学ルミネセンス【かがくルミネセンス】

化学発光とも。化学反応に伴って起こるルミネセンス。反応物質が励起されたり,励起分子が他の分子に衝突してこれを励起したりして起こる。多くの場合熱を伴わないいわゆる冷光である。たとえば黄リンを空気中に放置するとき暗所で見られる青緑色の発光や,塩化ナトリウム飽和水溶液に塩化水素を通じるときに見られる発光,ルミノールの強アルカリ性溶液を過酸化水素や赤血塩で酸化するときに見られる青紫色の発光(これは日中でも見られるほどに強い)など。

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世界大百科事典 第2版の解説

かがくルミネセンス【化学ルミネセンス chemiluminescence】

化学反応に伴うルミネセンス(発光)のことで,化学発光ともいう。この現象は,化学反応の結果生成した振動的または電子的に励起したエネルギーに富む原子または分子(これらを以下励起分子と総称する)が,(1)それ自体で発光する場合,(2)他の原子・分子と衝突してこれを励起して発光させる場合,(3)別の励起分子と衝突して発光する場合,などに起こる。放射される光の波長によって,赤外化学ルミネセンス可視・紫外化学ルミネセンス,真空紫外化学ルミネセンスなどに分類される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

化学ルミネセンス
かがくるみねせんす
chemiluminescence

蛍光と同様に励起状態から基底状態への遷移による、一般には熱を伴わない発光である。化学発光ともいう。蛍光の場合は、励起状態への遷移が外部から入射する光によっておこるが、化学ルミネセンスでは、化学反応の結果であったり、励起された分子が他の分子と衝突してエネルギーを受けるためにおこる。歴史的には1670年にドイツの錬金術師であるブラントHennig Brandt(生没年不詳)が、黄リンが空気中の暗所でかすかに青緑色に発光するのをみつけている。これは、黄リンの空気による酸化反応により、励起状態に上り自発的に基底状態に戻るときの発光である。
 塩化ナトリウムの水溶液に激しく塩化水素を通したり、気体アンモニアに塩化水素を反応させると化学発光する。有機化合物の例ではルミノール反応が有名である。ルミノールの強アルカリ性溶液をペルオキソ硫酸塩、赤血塩などで酸化すると、日中でも見えるほど青紫色に強く発光する。過酸化水素で酸化すると、発光は弱いが持続性がある。また、銅や鉄を含む錯化合物を加えると発色が著しく強められる。[下沢 隆]

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世界大百科事典内の化学ルミネセンスの言及

【ルミネセンス】より

…(2)熱ルミネセンス 蛍光体に刺激を与えて励起し,その刺激を断ってから温度をあげたときに生ずるルミネセンス。(3)化学ルミネセンス 化学反応に伴って生ずるルミネセンスで,ルミノール液の酸化の際の発光はこの代表的なものとして知られている。ホタルなど生物の発光も化学ルミネセンスの一種とされている。…

※「化学ルミネセンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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