日本大百科全書(ニッポニカ) 「北淡」の意味・わかりやすい解説
北淡
ほくだん
兵庫県淡路(あわじ)島北西部、津名郡(つなぐん)にあった旧町名(北淡町(ちょう))。現在は淡路市の北西部を占める一地区。旧北淡町は1955年(昭和30)富島(としま)町と育波(いくは)、仁井(にい)、野島、浅野、室津(むろつ)の5村が合併して成立。2005年(平成17)淡路、一宮(いちのみや)、津名、東浦(ひがしうら)の4町と合併、市制施行して淡路市となる。神戸淡路鳴門自動車道(こうべあわじなるとじどうしゃどう)の北淡インターチェンジがある。淡路島のなかで弥生(やよい)遺跡の多い地域として注目される。富島、室津などの漁港を中心に水産業が盛んで、ノリ養殖地としても重要である。津名丘陵地を利用してタマネギの栽培が行われ、ビワ、ミカン、ブドウの生産も多い。なお、2003年には、農地の有効利用を目ざして、構造改革特別区域の「自然産業特区」の認定を受けている。1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では震源地に近く、死者39人の大被害を受けた。1997年には、震災で現出した野島断層(国指定天然記念物)の保存館などがある震災記念公園がつくられている。そのほか、淡路市北淡歴史民俗資料館、自然休養村などがある。また1999年には、新しい園芸技術者育成のための県立淡路景観園芸学校が開校した。
[吉田茂樹]
『『北淡町誌』(1975・北淡町)』