十三経(読み)ジュウサンギョウ

デジタル大辞泉 「十三経」の意味・読み・例文・類語

じゅうさん‐ぎょう〔ジフサンギヤウ〕【十三経】

中国における儒家の基本的な書物13種。「周易易経)」「尚書(書経)」「毛詩詩経)」「周礼しゅらい」「儀礼ぎらい」「礼記らいき」「春秋左氏伝」「春秋公羊くよう」「春秋穀梁こくりょう」「論語」「孝経」「爾雅じが」「孟子」で、代に定められた。

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精選版 日本国語大辞典 「十三経」の意味・読み・例文・類語

じゅうさん‐ぎょうジフサンギャウ【十三経】

  1. 中国における儒教の一三種の経典総称。易経・詩経・書経・周礼(しゅらい)儀礼(ぎらい)礼記(らいき)春秋左氏伝・春秋公羊伝(しゅんじゅうくようでん)春秋穀梁伝(しゅんじゅうこくりょうでん)・論語・孝経・爾雅(じが)・孟子をいう。儒家の経典としては、漢代頃は孔子刪定したとされる詩、書、礼、楽、易、春秋を六経の名で、また、楽経が早く失われたのでそれを除いて五経の名で呼んだが、その後、礼が三礼に、春秋が三伝に分かれて九経となり、さらに論語、孝経、爾雅、孟子が順次加えられて、宋代にいたって十三経が成立したもの。じゅうさんけい。
    1. [初出の実例]「詩・書・礼・易・伝五経。公羊・穀梁并七経。周礼・儀礼是九経。論語・孝経十一経。老子・荘子十三経」(出典:二中歴(1444‐48頃か)一一)
    2. [その他の文献]〔経学歴史‐経学流伝時代〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十三経」の意味・わかりやすい解説

十三経
じゅうさんぎょう
Shi-san-jing

「じゅうさんけい」とも読む。儒教の経書 13,すなわち『易経 (周易) 』『書経 (尚書) 』『詩経 (毛詩) 』『周礼 (しゅらい) 』『礼記 (らいき) 』『儀礼 (ぎらい) 』『春秋左氏伝』『春秋公羊伝 (くようでん) 』『春秋穀梁伝』『論語』『孝経』『爾雅 (じが) 』『孟子』をいう。孔子が教科書としたものに『詩』『書』『礼』の古典があったと伝えられ,また戦国時代には,六経 (りくけい) ,十二経の名が伝えられているが,実際には五経が儒教の経書として次第に定着し,漢代には五経 (『易』『書』『詩』『儀礼』『公羊伝』) と『論語』『孝経』が官吏となるものの必修書となった。そののち『周礼』『礼記』『左氏伝』『穀梁伝』などが加わり,唐初には,『易』『書』『詩』『礼記』『左氏伝』,次いで『周礼』『儀礼』の伝来の注にさらに詳しく解釈した疏を加えていわゆる「正義」 (正しい解釈) とし,官吏採用試験の教科書とした。また唐末までには,『論語』『孝経』『爾雅』を加えて十二経となり,前記以外の経書の疏を著わすものが出,北宋 (11世紀) には,『孟子注疏』を加えて,『十三経注疏』とともに十三経の名目が固定した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「十三経」の解説

十三経
じゅうさんけい

経書と呼ばれる13種の儒学の古典
『周易 (しゆうえき) (易経)』『尚書 (しようしよ) (書経)』『毛詩 (もうし) (詩経)』『周礼 (しゆらい) 』『儀礼 (ぎらい) 』『礼記 (らいき) 』『春秋左氏伝 (しゆんじゆうさしでん) 』『春秋公羊 (くよう) 伝』『春秋穀梁 (こくりよう) 伝』『論語』『孝経 (こうきよう) 』『爾雅 (じが) 』『孟子 (もうし) 』の十三経で,総称の成立は宋代である。

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とっさの日本語便利帳 「十三経」の解説

十三経

儒教の基本的な経典。▽『易経』(周易)、『書経』(尚書)、『詩経』(毛詩)、『周礼』(しゅらい)、『儀礼』(ぎらい)、『礼記』、『春秋左氏伝』、『春秋公羊伝』、『春秋穀梁伝』、『論語』、『孝経』、『爾雅』、『孟子』 ※『爾雅』、『孟子』の代わりに『老子』、『荘子』を入れる説もあり

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「十三経」の解説

十三経(じゅうさんきょう)

経書(けいしょ)

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世界大百科事典(旧版)内の十三経の言及

【十三経注疏】より

…416巻。《周易》《尚書》《毛詩》《礼記(らいき)》《周礼(しゆらい)》《儀礼(ぎらい)》《左氏伝》《公羊(くよう)伝》《穀梁(こくりよう)伝》《論語》《孝経》《爾雅(じが)》《孟子》の十三経の注疏。前2世紀前漢武帝のとき,儒教が国教化されると,易・書・詩・礼・春秋の五経に博士官(五経博士)が置かれた。…

※「十三経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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