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卵管炎 ランカンエン

百科事典マイペディアの解説

卵管炎【らんかんえん】

ラッパ管炎とも。細菌感染による卵管の炎症。卵巣炎を併発することが多く,臨床上は子宮付属器炎として扱う。不妊の原因となることが少なくない。急性と慢性があり,病巣から血管・腹膜を通る下行性感染。
→関連項目クラミジア感染症淋病

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世界大百科事典 第2版の解説

らんかんえん【卵管炎 salpingitis】

子宮付属器炎の一つで,卵管の炎症性疾患。淋菌をはじめブドウ球菌連鎖球菌大腸菌結核菌などが感染して起こる。感染経路は大部分が子宮を通じての上行性感染であるが,結核性卵管炎では腹膜結核からの下行性感染によって発生する。炎症は卵管内膜炎で始まり,容易に卵管筋層炎,卵管外膜炎へと波及し,さらに限局性骨盤腹膜炎卵巣周囲炎を併発する。そのため卵管および卵巣は繊維素繊維性癒着によって一塊となり,炎症性腫瘤を形成する。

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大辞林 第三版の解説

らんかんえん【卵管炎】

卵管の炎症。淋菌・連鎖球菌・ブドウ球菌などの感染による。後遺症として不妊症を残すことがある。喇叭らつぱ管炎。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

卵管炎
らんかんえん
salpingitis

卵管の炎症をいい、女性性器の炎症のうちでは頻度の高い疾患の一つである。卵巣、卵管、子宮など女性の内性器は外界と交通性を保つので感染を受けやすく、また拡大しやすい。臨床上、卵巣と卵管およびこれに連絡する腹膜や靭帯(じんたい)などの諸組織を含めて子宮付属器とよぶが、卵管炎はこの付属器炎adnexitisの中心となるもので、しばしば卵巣をはじめ周辺組織に波及するが、この場合は骨盤内炎症性疾患(PID)ともよばれる。
 卵管炎の起炎菌には淋(りん)菌をはじめ、ブドウ球菌などの化膿(かのう)菌、結核菌、大腸菌などがある。感染経路としては、下部性器にある淋菌などが子宮頸管(けいかん)から上昇してくる上行性感染がもっとも多く、月経や子宮内操作(掻爬(そうは)やIUDなどの挿入など)のほか、性道徳の乱れなどが誘因となる。このほか、敗血症感染などの血行性やリンパ行性感染、あるいは虫垂炎など近接臓器からの下行性ならびに連続性感染もみられる。症状は起炎菌の種類や毒性、患者の抵抗力などによって異なり、急性、慢性、潜伏性など多様な経過をとる。淋菌や化膿菌による場合は急性で、下腹部痛や腰痛が激しく、発熱や嘔吐(おうと)などもみられる。慢性期の症状は主として卵管の癒着によるもので、下腹部の鈍痛や性交痛などがみられる。治療としては、急性期には絶対安静を守り、一般に広域スペクトルの抗生物質を用いる。結核性の場合は抗結核薬を使う。卵管炎による生命の危険はまれであるが、炎症性腫瘤(しゅりゅう)や膿瘍(のうよう)を形成して卵管の疎通性が回復されない場合は、不妊症や子宮外妊娠の原因となることもあり、手術が行われる。[新井正夫]

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