古座川(読み)コザガワ

デジタル大辞泉 「古座川」の意味・読み・例文・類語

こざ‐がわ〔‐がは〕【古座川】

和歌山県南部を流れる川。東牟婁ひがしむろ古座川町北部の大塔おおとう山(標高1122メートル)に源を発して南流し、串本町古座で熊野灘に注ぐ。長さ56キロ。下流に約15キロメートルにわたり古座川峡があり、高さ100メートル、幅500メートルの一枚岩は国指定の天然記念物

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日本歴史地名大系 「古座川」の解説

古座川
こざがわ

東西の両牟婁郡の郡界にある大塔おおとう(一一二二メートル)発し、古座川町・古座町を貫流する。西川にしかわ下露しもつゆを経て佐田さだの古座川ダム(七川ダム)に入り、さらに南流して三尾みと川を合流する付近から東に流れ、月野瀬つきのせ高池たかいけから古座町古座・西向にしむかいの間を貫流して熊野灘に注ぐ。全長約四〇キロ。「続風土記」は「海口に至るまで曲折多けれとも、総てこれをいへは乾より巽に流るゝを一川の大形とす」と記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古座川」の意味・わかりやすい解説

古座川(町)
こざがわ

和歌山県南部、東牟婁(ひがしむろ)郡にある町。1956年(昭和31)高池町と明神(みょうじん)、三尾川(みとがわ)、小川(こかわ)、七川(しちかわ)の4村が合併して成立。国道371号が通じる。古座川流域のほぼ全域を占める。町域の約96%は山林で、昔から木材木炭の産地、下流の高池にはこれを扱う廻船(かいせん)問屋があった。ユズを特産する。古座川沿いには古座川峡の景勝地や月野瀬、湯の花の温泉がある。高池の虫喰(むしくい)岩と古座川の一枚岩は国の天然記念物に指定されている。面積294.23平方キロメートル(境界は一部未定)、人口2480(2020)。

[小池洋一]

『『古座川町史』(2005・古座川町)』



古座川
こざがわ

和歌山県南部を流れる川。紀伊山地大塔山(おおとうざん)(1122メートル)に発し、串本町で熊野灘(なだ)に注ぐ。延長51キロメートル、流域面積356平方キロメートル。大塔山から南流して、平井川と合流し七川(しちかわ)ダムを経て、右岸に佐本(さもと)川、三尾(みと)川をあわせて向きを東に変え、著しい嵌入(かんにゅう)蛇行をなして、約20キロメートルの間に古座峡をつくる。両岸に奇岩怪石がそびえ、なかでも国の天然記念物の一枚岩は高さ300メートル、幅83メートルの流紋岩巨岩である。また支流池野川沿いの虫喰(むしくい)岩(国の天然記念物)、支流小川の甌穴(おうけつ)滝ノ拝(たきのはい)の奇観などがある。江戸時代には河口から真砂(まなご)(古座川町)まで船便があり、材木を搬出した。

[小池洋一]

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改訂新版 世界大百科事典 「古座川」の意味・わかりやすい解説

古座川[町] (こざがわ)

和歌山県南部,東牟婁(ひがしむろ)郡の町。人口3103(2010)。古座川の上・中流域に位置し,紀伊山地南端の山地が広く,穿入蛇行する古座川の本支流谷底に小集落が点在する。面積は県下最大であるが,大部分は山林が占める。林業が基幹産業で,高温多雨の気候は良質の杉,ヒノキ,松を生み出す。一般用材のほか,磨き丸太の加工業がある。またユズ,花卉の栽培も行われる。古座川は峡谷美に富み,川沿いには天然記念物の一枚岩や虫喰岩,月野瀬温泉,湯の花温泉,七川ダムなどがある。1956年の合併当時1万人を超えた人口も激減し,過疎化が目立つ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古座川」の意味・わかりやすい解説

古座川
こざがわ

和歌山県南部の川。大塔山を発してほぼ南流,のち東流して小川を合わせ,串本町で熊野灘に注ぐ。全長 51km。穿入蛇行が著しく,新第三紀層の流紋岩を刻む。特に東流する部分約 20kmは古座峡と呼ばれ,北岸の一枚岩は高さ 100m,幅 500mの巨岩で,高池の虫喰岩とともに国の天然記念物。支流の小川には 999壺といわれる甌穴の「滝の拝(はい)」がある。1956年,吉野熊野総合開発の一環として中流部に七川ダムが建設された。

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百科事典マイペディア 「古座川」の意味・わかりやすい解説

古座川[町]【こざがわ】

和歌山県南東部,古座川流域を占める東牟婁(ひがしむろ)郡の町。木材,ユズなどの特産品を産する。古座川は峡谷美にすぐれ,七川(しちかわ)ダムがある。294.23km2。3103人(2010)。

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事典・日本の観光資源 「古座川」の解説

古座川

(和歌山県東牟婁郡古座川町・串本町)
日本百景」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の古座川の言及

【古座峡】より

…和歌山県南部を流れる古座川中流にある峡谷。古座川は低山性の山地を緩やかに流れ,熊野灘に面した河口より24km余さかのぼった真砂まで舟運が可能であった。…

※「古座川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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