出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
和歌山県南部、東牟婁(ひがしむろ)郡にある町。1956年(昭和31)高池町と明神(みょうじん)、三尾川(みとがわ)、小川(こかわ)、七川(しちかわ)の4村が合併して成立。国道371号が通じる。古座川流域のほぼ全域を占める。町域の約96%は山林で、昔から木材、木炭の産地、下流の高池にはこれを扱う廻船(かいせん)問屋があった。ユズを特産する。古座川沿いには古座川峡の景勝地や月野瀬、湯の花の温泉がある。高池の虫喰(むしくい)岩と古座川の一枚岩は国の天然記念物に指定されている。面積294.23平方キロメートル(境界は一部未定)、人口2480(2020)。
[小池洋一]
『『古座川町史』(2005・古座川町)』
和歌山県南部を流れる川。紀伊山地の大塔山(おおとうざん)(1122メートル)に発し、串本町で熊野灘(なだ)に注ぐ。延長51キロメートル、流域面積356平方キロメートル。大塔山から南流して、平井川と合流し七川(しちかわ)ダムを経て、右岸に佐本(さもと)川、三尾(みと)川をあわせて向きを東に変え、著しい嵌入(かんにゅう)蛇行をなして、約20キロメートルの間に古座峡をつくる。両岸に奇岩怪石がそびえ、なかでも国の天然記念物の一枚岩は高さ300メートル、幅83メートルの流紋岩の巨岩である。また支流池野川沿いの虫喰(むしくい)岩(国の天然記念物)、支流小川の甌穴(おうけつ)滝ノ拝(たきのはい)の奇観などがある。江戸時代には河口から真砂(まなご)(古座川町)まで船便があり、材木を搬出した。
[小池洋一]
和歌山県南部,東牟婁(ひがしむろ)郡の町。人口3103(2010)。古座川の上・中流域に位置し,紀伊山地南端の山地が広く,穿入蛇行する古座川の本支流谷底に小集落が点在する。面積は県下最大であるが,大部分は山林が占める。林業が基幹産業で,高温多雨の気候は良質の杉,ヒノキ,松を生み出す。一般用材のほか,磨き丸太の加工業がある。またユズ,花卉の栽培も行われる。古座川は峡谷美に富み,川沿いには天然記念物の一枚岩や虫喰岩,月野瀬温泉,湯の花温泉,七川ダムなどがある。1956年の合併当時1万人を超えた人口も激減し,過疎化が目立つ。
執筆者:上田 雅子
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…和歌山県南部を流れる古座川中流にある峡谷。古座川は低山性の山地を緩やかに流れ,熊野灘に面した河口より24km余さかのぼった真砂まで舟運が可能であった。…
※「古座川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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