召される(読み)メサレル

デジタル大辞泉 「召される」の意味・読み・例文・類語

めさ・れる【召される】

[動ラ下一][文]めさ・る[ラ下二]動詞「め(召)す」の未然形+尊敬助動詞「れる」から》
する」の尊敬語。なさる。「御油断―・れるな」「お覚悟―・れよ」
め(召)す2㋐」の尊敬語。「お着物を―・れる」
め(召)す2㋑」の尊敬語。「お風邪を―・れる」
補助動詞)動詞の連用形に付いて、尊敬の意を添える。…なさる。
何処へ行き―・れた」〈伎・御曹司初寅詣
[類語](2着るまとう着けるちゃくする着用する羽織る引っ掛ける身ごしらえする身仕舞いするよそおはくかぶる着込む着こなす突っかける召す・お召しになる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「召される」の意味・読み・例文・類語

めさ‐・れる【召】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]めさ・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 動詞「めす(召)」に尊敬の助動詞「れる」の付いてできたもの )
  2. [ 一 ] 「する(為)」の尊敬語。なさる。
    1. [初出の実例]「天子のめさるる事は民の先とするほとに」(出典:史記抄(1477)八)
    2. 「ヲンヲモ シラヌ アクニンニ ヲンヲ ホドコサウズル トキワ ヒトエニ テンタウエ タイシテ mesarei(メサレイ)」(出典:天草本伊曾保(1593)鶴と狼の事)
    3. 「其方は自分の独り稼ぎもめさるる」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)中)
  3. [ 二 ] 補助動詞として用いる。他の動詞の連用形に付いて、尊敬の意を添える。…なさる。
    1. [初出の実例]「翻転掀騰を皆出窟格に説召さるるは悪ぞ」(出典:足利本人天眼目抄(1471‐73)下)
    2. 「しげうぢどのの御すがた、みあげみおろしめされてに、とかくものをばぎょいなふて、まづさめざめとおなきある」(出典:説経節・説経苅萱(1631)上)

召されるの補助注記

命令形には「めされよ」「めされい」の他、「仏母摩耶山開帳‐一」の「身がいふ事を聞きめされ」のような「めされ」の形、さらに「鑓の権三重帷子‐上」の「秘伝残さず伝授めさ」や、「源頼家源実朝鎌倉三代記‐三」の「子孫永々安堵の御教書、戴きめさとうやうやしく差出す所を」のような、省略された「めさ」の形もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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