被る(読み)カブル

デジタル大辞泉「被る」の解説

かぶ・る【被る/冠る】

[動ラ五(四)]《「かがふる」の音変化形「かうぶる」からさらに変化した形》
や顔などにそれを覆うものを載せる。また、全体をすっぽり覆う。「帽子を―・る」「面を―・る」「毛布を―・って寝る」「雪を―・った山」
頭からからだ全体にかけて受ける。水・ほこりなどを浴びる。「水を―・る」「火の粉を―・る」
本来は引き受けなくて済むものを、に受ける。こうむる。しょいこむ。「人の罪を―・る」「不況のあおりを―・る」
写真で、現像過程の失敗、露出過度やフィルム欠陥などのため、フィルムや印画紙の画面が曇ってぼやける。「この写真は―・っている」
すでにある色や音などの上に、さらに他の物が加わる。「日陰の撮影でやや青の―・った画像になる」「会話の音に電車の通過する音が―・る」
一方の発言と、もう一方の発言が重なる。「同時にしゃべりだして言葉が―・る」
同じようなものがそろう。重複する。「キャラが―・る」「保護者会でAさんと洋服が―・ってしまう」「前の人と発言内容が―・る」
《帰り客が総立ちになりほこりが立つため、手ぬぐいをかぶったところから》芝居寄席などが終わる。はねる。「芝居が―・る」
《もと芝居社会の用語。「毛氈もうせんをかぶる」の略で》しくじる。失敗する。多く、主人や親の面目を損なった場合にいう。
「音無しい男だけに…東京を―・ってしまった」〈万太郎・ゆく年〉
10 芝居・寄席などで、観客が一時に大勢押し寄せる。大入り満員になる。
11 だまされる。一杯食う。
「どこの牛の骨やら知らいで人の―・る衣裳つき」〈浮・胸算用・三〉
びる[用法]
[可能]かぶれる
[下接句]仮面を被る泥を被る猫を被る面を被る毛氈もうせんを被る
[類語](1被る引っ被る戴く着るはく羽織るまとう着込む着こなす突っかける・お召しになる/(3引責引っ被る泥を被る尻を拭う双肩に担う背負って立つ責めを負う

こうむ・る〔かうむる〕【被る/×蒙る】

[動ラ五(四)]《「こうぶる」の音変化》
他人から、行為恩恵などを受ける。いただく。「格別の恩顧を―・る」「ご愛顧を―・る」→御免蒙る
災いなどを身に受ける。「損害を―・る」「迷惑を―・る」「天罰を―・る」
頭からかぶる。
罪人をして、熊皮を―・らしめ」〈竜渓経国美談
[類語]浴びる掛かる

かがふ・る【被る】

[動ラ四]
かぶる。
麻衾あさぶすま引き―・り」〈・八九二〉
上の人からの仰せ言などを受ける。賜る。
天皇あつきめぐみを―・りて」〈・下〉

かむ・る【被る/冠る】

[動ラ五(四)]かぶる」に同じ。
「イタリア松のを―・ったようなのが」〈寅彦・旅日記から〉

こうぶ・る〔かうぶる〕【被る/×蒙る】

[動ラ四]《「かがふる」の音変化》「こうむる」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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