各・各々(読み)おのおの

精選版 日本国語大辞典 「各・各々」の意味・読み・例文・類語

おの‐おの【各・各々】

[1] 〘名〙 多くのものそれぞれ。めいめい。各自
※伊勢物語(10C前)八六「いと若き男、若き女をあひいへりけり。をのをの親ありければ、つつみていひさしてやみにけり」
[2] 〘代名〙 対称多人数に向かって呼びかける語。皆さん。あなたがた。
平家(13C前)三「是御覧ぜよ、をのをの」
[語誌](1)中世初期の軍記物語あたりから対称代名詞用法が生じ、中世後期の狂言・キリシタン資料などにも丁寧な表現として使われている。
(2)近世に入るとやや固苦しい表現となり、対称代名詞の用法も丁重な物言い武士の改まった表現として使われることが多く、代名詞としては近代には廃れた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android