コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

命婦 みょうぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

命婦
みょうぶ

大宝令における貴婦人の称。五位以上の婦人内命婦,五位以上の官人の妻を外命婦 (げみょうぶ) という。命婦には一定の職掌はないが,朝廷に参入し,朝廷の儀式に参加した。のちには中臈 (ちゅうろう) の女房をも称した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

みょう‐ぶ〔ミヤウ‐〕【命婦】

律令制で、五位以上の女官、また五位以上の官人の妻の称。前者を内命婦(ないみょうぶ)、後者を外命婦(げみょうぶ)という。
平安中期以降、中級の女官や中﨟(ちゅうろう)の女房の称。「靱負(ゆげい)の―」「威儀の―」
中世、稲荷(いなり)明神の使いとされる狐(きつね)の異称。
「気比宮(けひのみや)の白鷺、稲荷山の―」〈太平記・三九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

命婦【みょうぶ】

女官。(1)律令制で五位以上の女官を内(ない)命婦,五位以上の官人の妻を外(げ)命婦と呼ぶ。(2)平安中期以後,尚侍(ないしのかみ)・典侍(ないしのすけ)・掌侍(ないしのじょう)に次ぐ女官。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

みょうぶ【命婦】

古代における身分のある女性の称。後宮職員令によれば,五位以上の位を有する女性を内命婦と称し,五位以上の男官の妻を外命婦と称した。一般に命婦という場合は内命婦を指すことが多い。《続日本紀》には内親王,女王,内命婦という序列づけが行われた例があるが,無位の女王を内命婦と呼んだ例もある。彼女たちは必ずしも全員が後宮十二司に勤仕したわけではないが,朝会などの際には朝参を許された。内命婦,外命婦の制は中国のそれに範をとったものであるが,中国の内命婦は皇帝のキサキの一員を指し,日本のそれとは意味を異にする。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

みょうぶ【命婦】

律令制で、婦人の称号の一。五位以上の位階を有する婦人を内命婦、五位以上の官人の妻を外命婦げみようぶという。平安中期頃からは、中級の官位の女官や中﨟ちゆうろうの女房の総称となった。この種の命婦は、父や夫の官名によって、靭負ゆげいの命婦・大輔たいふの命婦などと呼ばれた。
中世、稲荷いなりの神の使いである狐きつねの異名。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

命婦
みょうぶ

令制下において一定の地位をもつ女性の称。自らが五位以上を帯びる者を内命婦(ないみょうぶ)、夫が五位以上である者を外命婦(げみょうぶ)と称した。中国の制度を輸入したものであるが、その内容は異なる。日本の場合は五位以上と六位以下に画然たる差を設ける官人秩序のあり方を反映している。なかには後宮(こうきゅう)に勤仕しない者もいたが、朝会(ちょうえ)のときには朝参(ちょうさん)を許された。一方、平安中期以降には、後宮十二司(こうきゅうじゅうにし)の解体に伴って新しい女官(にょかん)秩序が形成されるが、そのなかで内侍(ないし)(掌侍(ないしのじょう))に次いで位置づけられる四、五位クラスの女房の称として「命婦」の語が使用される。内命婦の平安時代的な変身の姿としてよい。中世の、中臈(ちゅうろう)とされる女房に相当するようで、「侍臣の女(むすめ)」以下とされる(『禁秘抄』)。[玉井 力]
『吉川真司著「平安時代女房の存在形態」(『律令官僚制の研究』所収・1998・塙書房) ▽角田文衛著『日本の後宮』(1973・学燈社) ▽須田春子著『平安時代後宮及び女司の研究』(1982・千代田書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

命婦の関連キーワード小馬命婦(1)石川郎女(3)金刺舎人若嶋壬生小家主女稲蜂間仲村売威儀の女房阿倍虫麻呂苛む・嘖む県犬養八重藤原教貴藤原祇子板野命婦氷上陽侯吉備由利飯高笠目良峰美子堀河武子愛で覆る鴨脚克子王命婦

今日のキーワード

ラニーニャ現象

《La Niña events》赤道付近のペルー沖から中部太平洋にかけて、数年に1度、海水温が平年より低くなる現象。低下する温度差はエルニーニョ現象での上昇温度差より一般的に小さい。→ダイポールモード...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

命婦の関連情報