東山三十六峰の最南端の山。標高二三二メートル。一の峰・二の峰・三の峰があり、
神奈備の遺跡として知られ、全山が稲荷信仰の対象となっている。山城国に造都以前の先住の人々から神奈備信仰を継承した秦氏が、この地に稲荷社を建立したという。秦氏が稲荷山を祭祀の対象とした理由については、「山城国風土記」逸文に記されるところである。
稲荷山の三つの峰には各々古墳があり(稲荷山古墳群)、また一二世紀頃のものと推定される稲荷山経塚も発見されている。「百錬抄」寛喜二年(一二三〇)一二月二六日条に「小朝熊神鏡相共、神宮権禰宜盛康等下向勢州
、年来之間、念阿弥陀仏奉
埋
稲荷山
、被
尋
出之
」と記されるのは興味深い。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…長野県北部,長野盆地南端にある市。1959年更級(さらしな)郡稲荷山町,八幡村と埴科(はにしな)郡埴生(はにゆう)町,屋代町が合体,市制。千曲川をはさんで相対した両郡名から1字ずつとって市名とした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」