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和敬清寂 わけいせいじゃく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

和敬清寂
わけいせいじゃく

茶道精神を説くための禅語で,大応国師帰朝のとき台子 (だいす) とともに伝えた劉元甫の『茶堂清規』3巻のなかにある表現。初め村田珠光が,茶の精神を謹兮 (きんけい) ,敬兮,清兮,寂兮と表現したもの。千利休茶道精神を要約した語となる。和敬茶会における主客心得を示し,清寂は茶室,露地,茶道具などの心持を示すもの。江戸時代になって和敬は形式化された。

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デジタル大辞泉の解説

わけい‐せいじゃく【和敬清寂】

茶道の精神を表現するのに用いられた語。和敬は茶事における主客相互の心得、清寂は茶庭・茶室・茶道具などに関連する心得。

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世界大百科事典 第2版の解説

わけいせいじゃく【和敬清寂】

茶道の理念をあらわした言葉。江戸時代中期の茶書によると,和敬清寂の語を唱えたのは村田珠光であるとされるが(《珠光問答》ほか),その根拠は薄弱で,伝説にすぎないであろう。むしろ,仏典にみえる〈和敬〉〈静(清)寂〉の語を転用し,江戸時代初期から広く使われだした言葉と思われる。和は亭主と客が和合し,茶会において一座建立が果たされることを指し,互いの思いやりが敬という理念に表されている。清は心の清らかさと同時に袱紗ふくさ)さばきに象徴される清めの意識にも通ずる茶道の心であり,寂は閑寂枯淡の美ともいうべきわび茶の美意識を示して心静かな姿を意味している。

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大辞林 第三版の解説

わけいせいじゃく【和敬清寂】

茶道で重んじられる精神。和敬は茶会において、主客がもっぱらとすべき精神、清寂は茶室・茶庭・茶器など全般に備わるべき精神をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

和敬清寂
わけいせいじゃく

利休(せんのりきゅう)によって大成された佗(わび)茶の精神を四諦(したい)として表現した語。利休によって唱えられた「四規七則」のなかの四規として伝承されているが、実際は利休によって表現された語ではない。利休百年忌を迎えた元禄(げんろく)時代(1688~1704)に至って利休回帰が叫ばれるなかから、その精神性をとらえて唱えられた語といえよう。すなわちその語の初見は、1699年(元禄12)巨妙子(きょみょうし)(大徳寺23世大心義統(だいしんぎとう))の序による『茶祖伝』(1730刊)である。その序文で、将軍足利義政(あしかがよしまさ)が珠光(じゅこう)に向かって茶の何たるかを尋ねたところ、「一味清浄禅悦法喜」の境地であるといい、茶は礼を本義として「謹兮(きんなり)、清兮、寂兮」であると申し上げたといっている。そして利休がこの語を踏まえて「今茶之道四焉、能和能敬能清能寂、是利休因茶祖珠光答東山源公文所云」という四諦を茶の湯の根本に据えたというのである。その後、佗び茶を表現するもっとも簡潔な語として人口に膾炙(かいしゃ)されて現在に至っている。[筒井紘一]

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