発作的な痙攣によって声門が閉鎖し、呼吸困難に陥ること。声門痙攣ともいう。声門閉鎖筋が攣縮(れんしゅく)し、換気不能から窒息状態に陥りチアノーゼをきたすため、迅速に対処しないと死に至ることもある。一般に、気管内にチューブを挿入して麻酔を行う際に麻酔深度が浅い状態で喉頭に刺激を受けたり、麻酔後の覚醒(かくせい)が不十分な状態で抜管したときなどに起こることが知られている。敏感な人の場合、食物や異物などにより喉頭が刺激を受けるだけで、過剰な防御反応により声帯が内転、声門が痙攣して閉鎖し、呼吸のできない状態が数分持続することもある。ほかに溺水(できすい)による気道閉塞(へいそく)および破傷風やテタニーの一徴候としても起こる。また神経過敏な人が不意の刺激に反応して発症する心因性のものもある。サクシニルコリン(スキサメトニウム)などの筋弛緩(しかん)薬を投与することで緩和できるが、気管内挿管あるいは緊急な気道確保が必要となることもある。突然、症状が現れることも考えられるため、神経過敏な患者に対しては事前に精神安定薬を投与するなど心身の安定に配慮する必要がある。
[編集部]
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