困ずる(読み)コウズル

デジタル大辞泉 「困ずる」の意味・読み・例文・類語

こう・ずる【困ずる】

[動サ変][文]こう・ず[サ変]
こまる。困惑する。こうじる。
「ほとほと教誡方法てだてに―・じつ」〈逍遥小説神髄
ひどく疲れる。困憊こんぱいする。
「―・じてうちねぶれば」〈・七〉
[類語]てこずる苦労困る弱る参るきゅうする苦しむ困り果てる困りきる困りぬく困却する往生おうじょうする難儀する難渋なんじゅうする閉口する困惑する当惑する途方に暮れる手を焼く手に余る持て余す手に負えない手が付けられない手が掛かる世話が焼ける始末に負えない始末が悪い・どうにもならない・如何ともしがたい・度し難い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「困ずる」の意味・読み・例文・類語

こう‐・ずる【困・極】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]こう・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
  2. 疲れる。体が弱る。病気が重くなる。
    1. [初出の実例]「一丁の程を、石階おりのぼりなどすれば、ありく人こうじて、いと苦しうするまでなりぬ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. 「極(コウズル) 病ノ極」(出典:文明本節用集(室町中))
  3. 困る。悩む。
    1. [初出の実例]「おまへにて御ことたまはりて、せめそせさせ給へるに、こうじにたりや」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
  4. こうずる(高)

困ずるの語誌

サ変動詞「困(こん)ず」が音便化したものとするのが通説だったが、「極」と表記した例が多く見られ、複合動詞をつくることもあるところから、「極」の呉音ゴクがサ変動詞化し音便化したものとする説が有力となってきている。

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