閉口(読み)ヘイコウ

デジタル大辞泉 「閉口」の意味・読み・例文・類語

へい‐こう【閉口】

[名・形動](スル)
1 手に負えなくて困ること。また、そのさま。「この暑さには閉口だ」
2 言い負かされたり圧倒されたりして、言葉に詰まること。
「大哲学者と皆人恐れ入りて―せり」〈露伴・日ぐらし物語〉
3 口を閉じてものを言わないこと。
「されども大儀なれば満座―の処に」〈太平記・二四〉
[類語](1)(2)辟易・降参・困る・参る・うんざり・げんなり・飽き飽き・懲り懲り・飽きる・倦む・倦怠・食傷・退屈・鼻に付く・まっぴら・てこずる・苦労・困る・弱る・参る・窮きゅうする・困こうずる・苦しむ・困り果てる・困りきる・困りぬく・困却する・往生おうじょうする・難儀する・難渋なんじゅうする・困惑する・当惑する・途方に暮れる・手を焼く・手に余る・持て余す・手に負えない・手が付けられない・手が掛かる・世話が焼ける・始末に負えない・始末が悪い・どうにもならない・如何ともしがたい・度し難い・ぎゃふん・お手上げ・諦める・思い切る・断念・観念・諦念ていねん・諦め・ギブアップ・くじける・屈伏・シャッポを脱ぐ・手も足も出ない・へこたれる・

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精選版 日本国語大辞典 「閉口」の意味・読み・例文・類語

へい‐こう【閉口】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 口をとじること。口をきかないこと。黙って答えないこと。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「去れ共大儀なれば、満座閉口の処に」(出典:太平記(14C後)二四)
    2. [その他の文献]〔史記‐張儀伝〕
  3. ② 言い負かされたり圧倒されたりして口がきけなくなること。ことばに詰まること。言い負かされて降参すること。
    1. [初出の実例]「又難二憲栄所レ申之日一、所レ陳有レ理、又問二憲栄一、申旨無理、大畧閉口、為泰親被レ嘲」(出典:台記‐康治二年(1143)一一月一一日)
    2. 「我代其苦を受くべしと明かにの玉へば王も冥官も舌を巻き閉口(ヘイコウ)す」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)七)
  4. ③ ( 形動 ) いやになること。困ること。よわること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「貴郎(あなた)頓(とん)と変ったお遊びをなさいましたが、私は何だか何うもあの時は実に平降(ヘイコウ)しましたぜ」(出典:落語・水中の球(1892)〈三代目三遊亭円遊〉)

閉口の語誌

①が本来の意味で、意志的に口をとじることをいうが、日本では②のように外部に対して受身の状態のまま口がきけなくなるという意味での用法が早くから見られ、そこから降参するとか、困る、よわるなど今日一般的に用いられる③の意味を派生した。

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普及版 字通 「閉口」の読み・字形・画数・意味

【閉口】へいこう

沈黙する。〔史記、張儀伝〕楚王曰く、願はくは陳子(軫(しん))、口を閉して復(ま)た言ふこと毋(なか)れ。以て寡人の地を得るを待てと。乃ち相印を以て張儀に授け、厚く之れに賂(おく)る。

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