デジタル大辞泉
「閉口」の意味・読み・例文・類語
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へい‐こう【閉口】
〘名〙
① 口をとじること。口をきかないこと。黙って答えないこと。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※太平記(14C後)二四「去れ共大儀なれば、満座閉口の処に」 〔
史記‐
張儀伝〕
② 言い負かされたり圧倒されたりして口がきけなくなること。ことばに詰まること。言い負かされて降参すること。
※台記‐康治二年(1143)一一月一一日「又難二憲栄所レ申之日一、所レ陳有レ理、又問二憲栄一、申旨無理、大畧閉口、為泰親被レ嘲」
※
地蔵菩薩霊験記(16C後)七「我代其苦を受くべしと明かにの玉へば王も
冥官も舌を巻き閉口
(ヘイコウ)す」
③ (形動) いやになること。困ること。よわること。また、そのさま。
※落語・水中の球(1892)〈三代目三遊亭円遊〉「貴郎(あなた)頓(とん)と変ったお遊びをなさいましたが、私は何だか何うもあの時は実に平降(ヘイコウ)しましたぜ」
[語誌]①が本来の意味で、意志的に口をとじることをいうが、日本では②のように外部に対して受身の状態のまま口がきけなくなるという意味での
用法が早くから見られ、そこから降参するとか、困る、よわるなど今日一般的に用いられる③の意味を派生した。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「閉口」の読み・字形・画数・意味
【閉口】へいこう
沈黙する。〔史記、張儀伝〕楚王曰く、願はくは陳子(軫(しん))、口を閉して復(ま)た言ふこと毋(なか)れ。以て寡人の地を得るを待てと。乃ち相印を以て張儀に授け、厚く之れに賂(おく)る。字通「閉」の項目を見る。
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