困る(読み)コマル

デジタル大辞泉 「困る」の意味・読み・例文・類語

こま・る【困る】

[動ラ五(四)]
ある物事をどう判断・処理してよいかわからず悩む。取り扱いがやっかいで苦しむ。困惑する。もてあます。手を焼く。「返事に―・る」「聞き分けがなくて―・る」「あいつときたら―・ったもんだ」
つらいことにあって苦しむ。難儀する。「人手が足りなくて―・っている」「家が狭くて―・る」
不都合である。迷惑する。「人に知られては―・る問題」「隣の騒音に―・っている」
金や物がなくて生活に苦しむ。困窮する。
奥さんのような―・った事のない方にゃ…わからないでしょうがね」〈漱石明暗
[類語](1)(2てこずる苦労弱る参るきゅうするこうずる苦しむ困り果てる困りきる困りぬく困却する往生おうじょうする難儀する難渋なんじゅうする閉口する困惑する当惑する途方に暮れる手を焼く手に余る持て余す手に負えない手が付けられない手が掛かる世話が焼ける始末に負えない始末が悪い・どうにもならない・如何ともしがたい・度し難い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「困る」の意味・読み・例文・類語

こま・る【困】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. どうしてよいかわからなくて苦しむ。処置判断のしようがなくて悩む。もてあます。
    1. [初出の実例]「寒さにはこまりながらも芳野哉〈観活坊〉」(出典:俳諧・俳諧勧進牒(1691)上)
  3. 物がなくて苦しむ。欠乏して難儀する。逼迫(ひっぱく)する。窮する。
    1. [初出の実例]「行所のない時居るつもりト寐所にこまる時泊るあてに」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
    2. 「日々の小づかひにもこまらないし」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  4. 被害を受ける。迷惑する。
    1. [初出の実例]「兎角おとっさま殿があまやかし過てこまります」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
  5. ( 「こまった」の形で連体修飾語として用いて ) 手に負えない状態になる。扱いに苦しむ。
    1. [初出の実例]「困(コマ)った青年が今朝こちらへ、東京を発(た)ったらしいんですわ」(出典真理の春(1930)〈細田民樹〉島の噴煙)

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