御仏名,仏名ともいう。《三劫三千諸仏名経》(《仏名経》)に基づき,毎年12月中旬の3昼夜にわたり,内裏の清涼殿で過去・現在・未来の三千仏名を唱え,その年の罪障を懺悔し,国家の安寧,皇室の息災などを祈願した法会。歳末に各種の《仏名経》を内裏で読誦したことは,764年(天平宝字8)12月の《正倉院文書》に初見する。以後ときに仏名読誦が行われたが,年中行事として定着したのは,838年(承和5)元興(がんごう)寺僧静安の発願で,清涼殿において願安,実敏,道昌などにより3昼夜にわたって内裏仏名懺悔が行われてからである。853年(仁寿3),従来行われていた12月15日から17日を19日から21日に改め,以後恒例となった。871年(貞観13)に静安の弟子賢護は,仏名会のために一万三千仏を描いた画像72幅を作り,内裏・太政官や五畿内・七道諸国に分置し,仏名会の本尊として祈修された。歳末に行われた仏名懺悔の法会は,その後諸大寺でも行われるようになり盛儀を極めたが,室町時代に中絶した。
執筆者:堀池 春峰
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
御仏名(おぶつみょう)、仏名懺悔(さんげ)ともいう。仏の名、仏名経を唱えて、懺悔滅罪(めつざい)を期する行事。過去・現在・未来の三世、八方上下計十方の国にいます三千ないし十万の仏の名を唱え礼拝(らいはい)する。日本では、9世紀ころに静安が始めたといい、宮中仁寿殿などで12月19日から3日間、賢護が奏進した一万三千仏画像を掲げ、地獄変の屏風(びょうぶ)を立て回し唱礼するようになった。のち1月の行事となった。『枕草子(まくらのそうし)』『栄花物語』『三宝絵詞(えことば)』に出る。
[木内曉央]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新