変形性股関節症(読み)ヘンケイセイコカンセツショウ(その他表記)Osteoarthritis of the Hip Joint

デジタル大辞泉 「変形性股関節症」の意味・読み・例文・類語

へんけいせい‐こかんせつしょう〔‐コクワンセツシヤウ〕【変形性股関節症】

股関節軟骨摩耗変形し、痛み・運動障害をきたす疾患日本では、先天性股関節脱臼臼蓋形成不全外傷などが原因となって、40~50歳の女性に発症することが多い。運動療法薬物療法ほかに、自分の骨を移植する骨切り術や、人工股関節手術などの治療法がある。

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家庭医学館 「変形性股関節症」の解説

へんけいせいこかんせつしょう【変形性股関節症 Osteoarthritis of the Hip Joint】

[どんな病気か]
 股関節の軟骨がすり減ったり、関節の形が変わっていく病気です。
 日本では、先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)や臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)(股関節の屋根となる臼蓋のかぶり方が浅い状態)があって、治療しても、それが治っていない人に多くみられます。
 そのほか、外傷や炎症、股関節の血行が悪くなった後でもおこります。
[症状]
 症状は、おもに運動時の痛みです。痛みの程度は、股関節の変形の程度や、軟骨のすり減りぐあいによってちがってきます。
 変形の進行度によって、前股関節症、初期股関節症、進行期股関節症、末期股関節症の4期に分けられます。
 前股関節症は、臼蓋の形成不全はありますが、軟骨は十分残っている状態です。長く立っていたり歩行時に、股部に重(おも)だるい感じや軽い痛みがありますが、休むと消えてしまう程度です。
 初期股関節症では、関節の間の軟骨が少しすり減って、関節のすき間(関節腔(かんせつくう))も狭くなってきます。股関節の動きも少し悪くなり、痛みも強くなってきますが、まだ、休めば痛みはなくなります。
 進行期股関節症、末期股関節症になると、痛みや股関節の動きの制限は、個人差はあるものの、ひどくなります。長く立っていたり、歩いた後の痛みが、休んでも続くようになります。
 進行期のX線写真を見ると、関節腔(かんせつくう)も、よいほうの関節に比べ、半分ぐらいまで狭くなっています。
 末期では、軟骨はまったくなくなり、骨の変形もひどくなってきます。
 したがって、前股関節症の時期から年に1~2回は診察を受け、病気の進行状況を知っておくことが必要です。
 病気の進行状況によって治療法もちがってきますので、整形外科医に十分相談する必要があります。
[治療]
 基本的には、股関節にかかる負担を少なくすることです。したがって、体重減量、スポーツなどの制限が必要になります。また、股関節の周囲の筋肉の強化も必要です。
 歩くときにからだが大きく左右に揺れる人は、つえの使用を勧めます。しかし、経過をみている間に痛みが強くなってくる場合は、手術を考えなければならなくなります。このときにたいせつなことは、その人の年齢、性別、職業、社会的環境などによって、治療方針がちがってくる点です。
 たとえば、はたらき盛りの男性で、重労働の仕事をしている人では、片側の股関節が障害されている場合、関節の動きを止めてしまう関節固定術が適応となります。
 50~60歳以上で、股関節の変形が強く、重労働をしない人では、人工関節に換える手術が適応となります。
 40歳以下の若い人で、臼蓋形成不全があれば、股関節の大腿骨側の骨を切り曲げて安定させるか、臼蓋形成術が適応となります。
 臼蓋形成術は、臼蓋に骨を移植したり、臼蓋自体を移動させて、股関節のかぶりを大きくしたりする手術です。
 どの手術を受けた場合でも、手術後は日常生活に注意し、股関節に負担がかからないようにする必要があります。

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