デジタル大辞泉
「大動脈瘤」の意味・読み・例文・類語
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大動脈瘤(大動脈疾患)
定義・概念
大動脈瘤とは,何らかの原因により大動脈壁が脆弱となり,血管内腔が拡張した状態をいう.
分類
1)壁構造による分類(図5-14-1):
a)真性大動脈瘤:動脈瘤の壁が,内膜,中膜,外膜をもつもの. b)仮性大動脈瘤:動脈瘤の壁が固有の動脈壁構造を欠き,新たに形成された結合組織,あるいは外膜のみを有するもの. c)解離性大動脈瘤:大動脈の中膜内に血液が流入しているもの.
2)形状による分類:
a)紡錘状大動脈瘤:動脈壁がびまん性に拡張し,紡錘状の形状を呈するもの.
b)囊状大動脈瘤:動脈壁の一部が限局的に拡張し,囊状の形状を呈するもの.
3)部位による分類:
胸部大動脈瘤,腹部大動脈瘤.[倉林正彦]
■文献
髙本眞一,他:大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版),Circ j, 70 Suppl Ⅳ, 1569-1646, 2006, 日本循環器学会.
Isselbacher EM: Disease of the aorta. In: Heart Disease: A textbook of cardiovascular medicine 8th ed (Braunwald E, Zipes DP, et al), pp1457-1489. WB Saunders Company, Philadelphia, 2008.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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だいどうみゃくりゅう【大動脈瘤 (Aneurysm of the Aorta)】
動脈硬化(どうみゃくこうか)が進むと、大動脈壁(だいどうみゃくへき)の弱い部分が血圧に耐えかねてふくらみ始めます。それが瘤(こぶ)のようにふくらんだ状態を大動脈瘤といいます。
ふくらみが大きくなるにつれ、瘤の壁はどんどん薄くなり、ついには破裂し、そこから大出血をおこします。こうなると、からだの諸機能は停止し、死に至ることになります。したがって、大動脈瘤の治療は、瘤の破裂を予防し、破裂前に手術を行なうことにつきます。
破裂の予知はなかなかむずかしいのですが、5cm以上ふくらんだ動脈瘤は破裂する可能性が高いため、確認しだい外科治療を進めます。
大動脈の血管壁は、内膜(ないまく)、中膜(ちゅうまく)、外膜(がいまく)の3層構造ですが、大動脈瘤ではこの3層構造が破壊されており、壁構造の変化により真性(しんせい)、仮性(かせい)、解離性(かいりせい)の3種に分けて呼びます。また、その発生場所で、胸部(きょうぶ)、胸腹部(きょうふくぶ)、腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)と区別されています(図「部位別にみた大動脈瘤の発生頻度」)。
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大動脈瘤【だいどうみゃくりゅう】
大動脈に発生した動脈瘤。普通,嚢状大動脈瘤をいう。大動脈弓や胸大動脈に多くみられ,動脈硬化が原因となることが多い。周囲を圧迫して呼吸困難,嚥下(えんげ)障害,胸痛を起こす。破裂して大出血を起こすと即死することがある。大動脈の内膜が裂けて血液が中膜と内膜の間にたまったものを剥離(はくり)性大動脈瘤といい,心筋梗塞(こうそく)と同様の症状を示すが,血圧は高い。
→関連項目肋間神経痛
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大動脈瘤
だいどうみゃくりゅう
aortic aneurysm
大動脈壁の部分的な拡張で,動脈瘤壁が動脈壁全層,すなわち内膜,中膜,外膜から成る真性大動脈瘤と,動脈壁の一部に破壊があって,その間に血液が侵入して生じる解離性大動脈瘤の2つの型がある。後者は動脈硬化症によるものが多いが,中膜壊死も有力な原因と考えられている。真性大動脈瘤は,梅毒性大動脈中膜炎によって中膜の弾力性が低下して起るものが多く,大動脈上行部,弓部,胸部に好発する。次いで動脈硬化症によるものがある。これは前者に比してはるかに小さく,腹大動脈に多い。その他の原因としては,動脈内膜炎,動脈周囲炎,結節性動脈周囲炎などがある。
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の大動脈瘤の言及
【動脈瘤】より
…動脈に[動脈硬化]などの病変が起こると,動脈壁の栄養が悪くなって,もろく硬くなるので,伸展性が失われ,内圧のために局所的に動脈壁が拡張して動脈瘤となる。日常よくみられるものは腹部の大動脈瘤(大動脈の動脈瘤)とひざの動脈瘤で,60歳以上の男子に多い。大きくなると早晩破裂して死亡することが多い。…
※「大動脈瘤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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