出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
広島県中南部,大崎上島にある豊田郡の町。2003年4月大崎,木江(きのえ),東野(ひがしの)の3町が合体して成立した。人口8448(2010)。
大崎上島町中西部の町。豊田郡所属。人口4351(2000)。大崎上島の北西部を占め,町域のほとんどは丘陵地で,低地の多くは点在する島と島との間を結んだ干拓造成地である。古くは安芸大崎荘に属し,江戸初期は福島氏,次いで浅野氏の所領となった。基幹産業はミカン栽培を中心とした農業で,標高200m付近までの傾斜地のほとんどが樹園地となっている。漁業は養殖漁業への転換が図られ,タイ,ハマチなどの養殖が行われている。南東部の神峰山(453m)は瀬戸内海国立公園の一部で,屈曲に富む海岸線と,多くの島々が散在する景観の好展望地である。西端の外浜(とばま)は白砂の砂浜が1km続き,海水浴場としてにぎわう。
大崎上島町南東端の旧町。豊田郡所属。人口2744(2000)。大崎上島の南東部にあり,南は大崎下島,愛媛県岡村島,小大下島,大下島,東は愛媛県大三島に相対する。背後には神峰山(453m)を最高峰とする300m前後の山地が東西に連なり,旧大崎町と旧東野町の境界をなしている。中心地木江は天然の良港で,古くから瀬戸内海の要港として栄え,明治以降は機帆船の重要な寄港地となり,船員たちの歓楽地ともなった。現在は大崎上島全体の玄関口で,竹原市や今治市とはフェリーや高速船で結ばれる。造船業が基幹産業で,中小型鋼船の製造が行われる。山麓一帯の急傾斜地にはミカン畑が広がっている。海岸部や神峰山は瀬戸内海国立公園に含まれる。
大崎上島町北東部の旧町。豊田郡に属し,芸予諸島の大崎上島北東部を占める。人口3036(2000)。中央部を南北に縦走する丘陵性山地によって町は二分され,東側を外表(そとおもて),西側を内浦と呼ぶ。北や西の海上には佐組(さぐみ)島,生野(いくの)島,契(ちぎり)島,臼島,船島をはじめ大小の島々が散在し,その多くは瀬戸内海国立公園に含まれる。島は古くから瀬戸内海航路の要衝で,北東端の鮴崎(めばるざき)は江戸中期には船舶の主要寄航地であった。明治・大正期には大小の造船所が設置されるとともに関連産業も発達して栄えた。海運,造船業は現在も基幹産業の一つとなっている。農業はミカン栽培が盛んで,契島には東邦亜鉛契島製錬所がある。中心地の白水はフェリーで竹原港と結ばれる。
執筆者:赤池 享一
広島県に属し,瀬戸内海の芸予諸島のほぼ中央に位置し,柳ノ瀬戸をはさんで本土竹原市に対する。面積37.7km2。南東部に神峰山(453m)があり,これより山脚が北東および西にのび,北西は屈曲に富む海岸をなす。小湾の奥に平地があり,島嶼(とうしよ)部としては干拓地が多い。豊田郡に属し,島の北西に大崎町,北部に東野(ひがしの)町,南側には木江(きのえ)町があったが,2003年4月3町が合併して大崎上島町となった。産業はミカンを共通に,大崎の農業,東野の造船と精錬(同町東野契島の東邦亜鉛),木江の造船が特色で,木江はかつて機帆船の寄港地として知られた。
執筆者:藤原 健蔵
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
広島県中南部、豊田(とよた)郡にある町。瀬戸内海の芸予(げいよ)諸島の大崎上島(38.27平方キロメートル)のほか、生野(いくの)島(2.25平方キロメートル)、長島(1.04平方キロメートル)などの小島を町域とする。2003年(平成15)大崎町、東野町(ひがしのちょう)、木江町(きのえちょう)が合併して成立。本土の竹原市南方に位置し、南西に大崎下島(しもじま)、東に大三島(おおみしま)(愛媛県)がある。大崎上島北部の白水(しろみず)港、垂水港などから、竹原市(竹原港)、東広島(ひがしひろしま)市(安芸津港)と高速船、フェリーで結ばれ、竹原市への通勤・通学者も多い。また、大崎下島(小長港)、愛媛県大三島(宗方港)、今治(いまばり)市(今治港)ともフェリーの連絡がある。農業はミカン栽培が中心。矢弓(やゆみ)に国立の広島商船高等専門学校や、海と島の歴史資料館(大望月(おおもちづき)邸)がある。大崎上島の最高峰神峰山(かんのみねやま)(453メートル)にはハイキングコースがあり、頂上からは瀬戸内海の島々や四国連峰が展望できる。面積43.11平方キロメートル、人口7158(2020)。
[編集部]
広島県中南部、瀬戸内海の芸予(げいよ)諸島の一島。豊田(とよた)郡大崎上島町に属する。面積38.36平方キロメートル。竹原市街前面の海上に位置し、南方の明石(あかし)瀬戸を隔てて大崎下島(しもじま)と対する。竹原港と垂水港間は約20分の距離にある。また三原市、東広島(ひがしひろしま)市(安芸津(あきつ)港)、今治(いまばり)市とも定期船で連絡する。神峰(かんのみね)山(453メートル)を最高峰とする山地が東部から南部にかけて延び、西側や北側に平地や干拓地がある。平安時代の大崎荘(しょう)の地で、江戸時代は広島藩蔵入地。島の南東部にある木江港は明治から大正にかけて機帆船の寄港地として栄えた。中小規模の造船業のほか、ミカン、ネーブル、ハッサク、野菜づくりが行われ、竹原市などへ通勤する者も多い。人口8676(2009)。
[北川建次]
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