大聖寺川(読み)ダイショウジガワ

デジタル大辞泉 「大聖寺川」の意味・読み・例文・類語

だいしょうじ‐がわ〔ダイシヤウジがは〕【大聖寺川】

石川県南西部を流れる川。福井県との県境にある大日だいにち山(標高1368メートル)に源を発して加賀市中心部を通り、日本海に注ぐ。長さ40キロ。上流域九谷くたにには国の史跡九谷よう跡があり、中流域には山中温泉鶴仙かくせん峡などがある。河口付近、北潟きたがた湖との合流点にある鹿島の森は国の天然記念物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「大聖寺川」の解説

大聖寺川
だいしようじがわ

福井県境にある大日だいにち(一三六八メートル)の西斜面に源を発し、山中やまなか九谷くたに千束せんぞく川・すぎみず川を合せ、我谷わがたにダムで大内谷おおうちだに川と合流、山中温泉東側の鶴仙かくせん渓を経て、加賀市河南かわみなみ町付近で平野部に入り、三谷みたに川・熊坂くまさか川を合せながら大聖寺の市街地を貫流、塩屋しおや港で日本海に注ぐ。二級河川で流路延長約四〇キロ、流域面積約二〇九平方キロ。下流部で旧江沼えぬま潟の跡を蛇行し、豪雨や融雪期にはよく氾濫したため、近世以来改修工事がたびたび行われた。川は南郷なんごう台地と片山津かたやまづ橋立はしたて丘陵に囲まれた低地に沖積平野を形成し、河口の塩屋町で福井県の北潟きたがた湖の湖口と合流する。合流点には常緑広葉樹林原生林鹿島かしまの森(国指定天然記念物)があり、植物学上重視される。

古く沿岸各地で固有の呼び方があった。文明一八年(一四八六)加賀国を訪れた京都聖護院門跡道興は「廻国雑記」にたちばなの宿を出て「すはま川」に至り、「そのすがたさながら庭などにつくりたるすはまに、すこしもたがひ侍らず。そのまはり四五町にもあまりぬらんか。奇妙なるすがた也。里人の申侍りしは相馬の将門作りたりしなど語り侍りき。信用にたらず」と記し、「すはま川誰すみすてし遣水の跡とかみまし庭の俤」と詠じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大聖寺川」の意味・わかりやすい解説

大聖寺川
だいしょうじがわ

石川県金沢平野南部を流れる川。全長約 40km。福井県境の大日山に源を発し,山中温泉付近では鶴仙渓と呼ばれる渓谷をつくり,平野に出る。加賀市の中心市街地大聖寺を通り,福井県境塩屋町で北潟湖の水を合わせて日本海に注ぐ。支流の三谷川と合流する大聖寺永町付近はしばしば水害に見舞われたが,上流の我谷ダムの建設により治まった。河口には常緑広葉樹の原生林である鹿島の森があり,国の天然記念物に指定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大聖寺川」の意味・わかりやすい解説

大聖寺川
だいしょうじがわ

石川県の南西部を流れる川。福井県境の大日(だいにち)山に源を発し、加賀市(かがし)山中温泉(やまなかおんせん)地区を北西流し塩屋(しおや)で日本海に注ぐ。延長39.6キロメートル。かつては加賀市大聖寺地区のあたりで水害をおこしたが、1965年(昭和40)我谷(わがたに)ダムの完成で解消した。上流に国の史跡九谷(くたに)磁器窯跡があり、山中温泉の西側に鶴仙(かくせん)渓とよばれる約1キロメートルの渓谷をつくる。河口近く北潟(きたがた)湖の合流点付近には国の天然記念物の常緑広葉樹林「鹿島(かしま)の森」がある。

[矢ヶ崎孝雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例