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大阪都構想 おおさかとこうそう

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知恵蔵2015の解説

大阪都構想

大阪府と政令指定都市の2市(大阪市・堺市)を解体し、10~12の特別自治区からなる大阪都を新設するという構想。府と市の二重行政の無駄を省き、産業基盤の整備と経済的競争力の強化によって、地盤沈下が著しい大阪の再生を図るというのが狙い。2010年、当時の大阪府知事の橋下徹(はしもととおる)が提唱した。その橋下が代表を務め、大阪府議会で過半数の議席を持つ政治団体大阪維新の会」が、15年4月の実現を目指している。
11年11月27日に行われた府知事・大阪市長のダブル選挙では、同会の松井一郎が府知事に当選。任期満了を待たずに府知事を辞職し、転身を図った橋下が大阪市市長に当選した。これによって、大阪都構想推進協議会の設置が確実なものとなった。
「大阪維新の会」は、新都が「首都機能の一部」を担うことを目指しているが、新都政の基本的な枠組みも東京都をモデルにしている。特別区には公選の区長・区議をおき、住民自治を促進させる一方、府と市が重複していた事業や広域行政は新都の首長に全権移譲される。これにより、住民に密着した細かいサービスは各行政区が担い、市内の再開発、道路・港湾整備等の産業インフラや災害対策などの広域行政は新都に一本化される。財政も都が主導権を持つ。都が大阪市・堺市の資産を受け継ぎ、税収も両市の住民から吸い上げ、30万人規模からなる各区に配分する。これまで府と市が競合していた水道、ごみ処理施設、大学や文化施設なども統廃合し、財政の安定化を図る。
しかし、都への「格上げ」には、地方自治法を始めとする法律の改正が必要で、国政を担う政党との連携も求められる。また、中央集権化(都への権力集中)は地方自治の流れに逆行するという声もあり、実現までのハードルは決して少なくない。最大の課題は、行政区の区割りと財政の分配と言われるが、その具体像は不透明なままで、大阪市長選で橋下に敗れた平松邦夫も、選挙戦中に「行き先不明のミステリーバスに片道切符で乗せられるのが大阪都構想」と批判していた。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

大阪都構想

大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編し、インフラ整備や成長戦略といった広域行政を大阪府に一本化する大都市制度改革。府と市の「二重行政」の解消を目指し、橋下徹市長が府知事時代に提唱した。市を五つの特別区に分けて福祉や教育を担わせる案をまとめ、今年5月に大阪市内で住民投票を実施。反対が70万5585票と賛成を約1万票上回り、廃案となった。

(2015-11-23 朝日新聞 朝刊 3総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

おおさかと‐こうそう〔おほさかトコウサウ〕【大阪都構想】

橋下徹らが中心となって、大阪維新の会が実現を目指す大阪府などの再編構想。平成22年(2010)、当時大阪府知事だった橋下が発表。東京都にならい、大阪市24区・市7区、周辺9市をおよそ20の特別区に再編し、各市と大阪府との二重行政スリム化を目指すもの。平成27年(2015)5月、大阪市を5つの特別区に再編するとした最終案の賛否を問う住民投票が行われたが、反対多数で否決され、廃案となった。

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知恵蔵miniの解説

大阪都構想

大阪市の24区を再編して五つの特別区(東区・北区・湾岸区・中央区・南区)を設置し、大阪府と大阪市の広域行政を統合する構想のこと。都知事1人体制とし、二重行政をなくして税金の無駄遣いを解消することなどを目的としている。橋下徹大阪府知事(当時)が代表を務めていた大阪維新の会が2010年に提唱し、12年に成立した大都市地域特別区設置法に基づき15年3月に都構想案(特別区設置協定書)が大阪府・大阪市の両議会で承認された。これに対する賛否を問う住民投票が15年5月17日に行われ(当日有権者数210万4076人、投票率66.83%)、1万741票の僅差で反対多数となり、大阪都構想は廃案となった。

(2015-5-19)

出典|(株)朝日新聞出版発行
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大阪都構想
おおさかとこうそう

2012年(平成24)に制定された大都市地域特別区設置法(平成24年法律第80号)に基づき、政令指定都市の大阪市を廃止して、北、湾岸、東、南、中央の五つの特別区を設置するという、大阪維新の会による地方行政改革の構想。大阪府と大阪市の役割を見直し、インフラ整備や経済対策といった広域の行政機能は府に集約し、地域における福祉や教育などの住民サービスなどは特別区が担うよう再編する。道府県と政令指定都市の間で生じやすかった二重行政の問題が解消され、新たな政策等を迅速に実施する体制が整えられることが期待される一方、庁舎やシステムの整備など、多額の移行コストが必要になると想定された。
 大阪都構想は、大阪維新の会代表の橋下徹(はしもととおる)(1969― )が大阪府知事を務めていた2010年にスローガンとして掲げたのが始まりで、この構想をきっかけに地域政党・大阪維新の会が結成された。大阪維新の会は2011年11月に行われた大阪府知事と大阪市長の同時選挙に勝利し、大阪市長に当選した橋下は都構想を推進。実現の是非を問う住民投票を2015年5月に実施した。これは、大都市地域特別区設置法に基づき、法的な拘束力をもつ住民投票として全国で初めて行われたもので、投開票の結果、反対票が賛成票を僅差(きんさ)で上回り、都構想は廃案となった。これを受けて橋本は、大阪市長の任期満了をもって政界から引退すると表明した。
 2015年5月時点で20ある政令指定都市は、1956年(昭和31)に創設された制度によるもので、今日の地方行政とそぐわない部分があると指摘する声は以前からあった。都構想に反対した府市の議員連合は、2014年5月成立の改正地方自治法により設置可能になった「総合区」(政令指定都市の行政区の権限を強化した区)を活用するなど、新たな市政について検討していくと表明しており、今回の住民投票が、地方自治制度のあり方をめぐる議論に与えた影響は小さくない。[編集部]

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