大韓航空(読み)だいかんこうくう(その他表記)Korean Air Lines Co., Ltd.

共同通信ニュース用語解説 「大韓航空」の解説

大韓航空

1969年に財閥韓進ハンジングループが国営「大韓航空公社」の民営化を引き受け、発足。2019年の売上高は約12兆ウォン(約1兆1千億円)で韓国航空業界トップ。20年10月末現在で、164機の航空機を保有し、国内線を含め全世界43カ国の121都市に就航している。14年にはオーナー一族の副社長(当時)が、機内でのナッツの出し方に激怒して離陸直前の同機を搭乗口まで引き返させる事件発生。財閥一家によるパワハラとして非難を浴びた。(ソウル共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大韓航空」の意味・わかりやすい解説

大韓航空
だいかんこうくう
Korean Air Lines Co., Ltd.

韓国(大韓民国)最大の航空会社。略称KAL。前身は1948年設立のコリア・ナショナル・エアラインズKorea National Airlines(略称KNA)である。1950年、朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)で国防部に接収されたが、戦後の1954年に台湾経由香港(ホンコン)路線の運航を開始したのをはじめとして国際線を拡大していった。1962年にKNAが倒産したのを契機に、新たに国営の大韓航空公社が設立された。新会社はこれまでの路線を引き継ぎ、国内線の充実に努めた。1966年には韓国証券取引所に上場されたが、職員数、保有機種、路線など合理化が図れず経営危機に陥った。

 1969年、経営を立て直すため政府保有株式は中堅財閥韓進グループに譲渡され、同社は純民間企業として創立、韓進グループの趙重勲(ちょうじゅうくん/チョチュンフン)(1920―2002)が会長に就任した。大韓航空は海運業の韓進海運とともに空と海の交通を握る同グループの中核企業となった。1989年、国際航空運送協会(略称IATA(イアタ))に加入。2002年に設立された国際航空連合のスカイチーム創立メンバーである。

 日本へは、民営化した1969年(昭和44)に東京をはじめ3都市に就航した。2011年時点で、成田関西など16空港に就航している。

 2009年時点で、保有機数126機、国内13都市、国外38か国104都市に就航。航空貨物輸送も盛んである。2008年の総資産は15兆8099億9100万ウォン、営業収入は10兆2126億ウォン。2009年時点での従業員数は約1万8600人。

[上川孝夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大韓航空」の意味・わかりやすい解説

大韓航空
だいかんこうくう
Korean Air Lines; KAL

大韓民国(韓国)の航空会社。1948年国営会社として設立され,1969年韓進グループの傘下に入って民営となった。1972年ロサンゼルスへの定期旅客便の運航を開始して以来,長距離国際線にも進出するようになった。2011年初現在,国内 14都市,国外 37ヵ国 100都市以上を結ぶ定期航空会社となり,保有機は 130機以上。ほかに 10機のエアバスA380を含めて 50機以上を発注。なお大韓航空をめぐっては,1983年ニューヨークからアンカレジ経由でソウルに向かったボーイング747がサハリン沖の上空を飛行中にソビエト連邦の戦闘機によって撃墜され,乗っていた 269人全員が死亡した大韓航空機撃墜事件,1987年イラクから韓国へ向かったボーイング707がビルマ(ミャンマー)の南方海上で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作員によって爆破され,乗っていた 115人全員が死亡した大韓航空機爆破事件が起こっている。

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百科事典マイペディア 「大韓航空」の意味・わかりやすい解説

大韓航空[会社]【だいかんこうくう】

英語名Korean Air Lines から略称KAL。韓進グループの系列会社で,韓国最大の航空会社。世界第2位の貨物輸送部門の比重が大きく,売上げの32%を占める。そのほかに航空機の翼と胴体部品を生産する航空宇宙部門がある。現在国内16都市,海外29ヵ国84都市に就航しており,1995年度にヨーロッパ路線とオセアニア路線を拡充した。日本の12都市に乗入れ,大半の乗務員が日本語を話すなど,日本市場を重視。2011年12月期売上高11兆8050億ウォン。

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