出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
8世紀の奈良時代,律令国家が確立した時期の文化を表す文化史の時代区分。白鳳文化と弘仁・貞観文化の間に位置する。東アジア世界の安定のもとで,盛唐の文物・仏教・思想,新羅(しらぎ)・渤海(ぼっかい)や南海・西域の文物が,遣唐使らによってもたらされ,平城京を中心として天皇・貴族・僧侶による国際的で貴族的な文化が発展した。法隆寺東院・唐招提寺・東大寺法華堂などの建築,東大寺・唐招提寺・興福寺などの仏像,正倉院宝物の絵画・染織・工芸品,「万葉集」「懐風藻」などの文学,「古事記」「日本書紀」などの史書が残る。また平城宮・官衙・寺院・集落などの発掘により,建築・手工業や日常生活・民衆文化などの様相が知られる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…たとえば最初の銭貨として鋳造された和同開珎が,蓄銭叙位令などで流通を奨励されたにもかかわらず,貨幣経済の基盤が未成熟であったため,その利用範囲が畿内をあまり出なかったという事実や,班田収授法の基礎として公地公民を標榜しながら,人口増加に伴う田地不足を解消するため開墾を奨励した三世一身法(723)や墾田永年私財法(743)が,やがて大寺院や貴族・豪族の大土地私有を誘発して荘園を成立させ,土地制度の根底をゆるがすようになった事実などは,その一例である。
[文化]
奈良時代の文化はその頂点をなす聖武朝の年号によって〈天平文化〉ともよばれる。その特色は,まず平城京で華やかな生活を送る大宮人中心の貴族的文化であること,つぎに遣唐使らによって将来された盛唐文化の影響を強く受け,国際性豊かな文化であること,そして鎮護国家の教法として国家の保護を受け,国分寺,東大寺などを建立した仏教中心の文化であることであろう。…
※「天平文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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