中国、春秋時代の思想家、学者。孔子の孫。名は伋(きゅう)、子思は字(あざな)。孔鯉(こうり)(字は伯魚)の子で、家系はいまに伝わるといわれる。伝記の詳細は明らかではないが、『子思子』『中庸』の著述があり、孟子(もうし)に学問を伝えたとされる。宋(そう)代以降は、孔子→顔回・曽参(そうしん)→子思→孟子という道統をたて、賢人として尊ばれた。『子思子』はもと23篇(ぺん)で、現在の『礼記(らいき)』の中庸、表記、坊記、緇衣(しい)の4篇はその残簡ともいう。『子思子』の首篇が中庸であったので、中庸で全篇を表したともいわれるが、朱熹(しゅき)(朱子)はとくに子思の著述として中庸篇を尊び、四書の一つに位置づけた。清(しん)代に古典中の逸文を集録して『子思子』7巻が編まれた。現在ではこれらにさらに文献的検討を加えて古代思想研究の一資料とされている。
[佐野公治 2015年12月14日]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
前492~前431
春秋時代末期の儒家。魯(ろ)の人,孔子の孫。『礼記』(らいき)の一編である「中庸」は彼の述作と伝えられる。曾子(そうし)(前505頃~前436頃)の孝道の学を伝え,忠恕(ちゅうじょ)の徳を発展させた。子思の思想は孟子(もうし)に継承された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…もともと《礼記(らいき)》のうちの一編で全文3500余字。古来,孔子の孫の子思の作とされる。本来の《中庸》は前半部のみで,後半部は《誠明書》という別の書だという説や,秦代の子思学派の《中庸説》という解説書だとする武内義雄の説,などがある。…
※「子思」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新