ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安倍晋太郎」の意味・わかりやすい解説
安倍晋太郎
あべしんたろう
[没]1991.5.15. 東京,文京
政治家。衆議院議員であった安倍寛の長男として東京府東京市で出生し,山口県日置村(今日の長門市)で育った。旧制山口中学校(今日の山口県立山口高等学校),岡山県の第六高等学校を経て,東京帝国大学に入学。第2次世界大戦後,東京大学法学部に復学し卒業。1949年毎日新聞社に入社。同郷の岸信介の長女,洋子と結婚して退社し,岸の秘書官に転じた。1958年の衆議院議員総選挙に,自由民主党公認候補として山口1区から出馬し,初当選。当選 12回。自由民主党では岸の流れをくむ清和会(福田派)に所属し,農林大臣,通商産業大臣,外務大臣のほか党の要職を歴任し,竹下登,宮沢喜一,渡辺美智雄とともに自由民主党の「ニューリーダー」と称された。しかし,福田赳夫から派閥を引き継いで臨んだ 1987年の自由民主党総裁選挙では,中曽根康弘内閣総理大臣の裁定により竹下が選出され,首相就任を逃した。晩年はリクルート事件への関与が発覚し党幹事長を辞任,また膵臓癌を発病し,1991年に死去した。二男の安倍晋三がその地盤を継ぎ,1993年の衆議院議員総選挙で初当選し,2006年首相となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報