寛政の三博士(読み)カンセイノサンハカセ

デジタル大辞泉 「寛政の三博士」の意味・読み・例文・類語

かんせい‐の‐さんはかせ〔クワンセイ‐〕【寛政の三博士】

寛政の三助さんすけ

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精選版 日本国語大辞典 「寛政の三博士」の意味・読み・例文・類語

かんせい【寛政】 の 三博士(さんはかせ)

  1. かんせい(寛政)の三助

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寛政の三博士」の意味・わかりやすい解説

寛政の三博士
かんせいのさんはかせ

寛政年間 (1789~1801) ,江戸幕府の学制改革の中心となった3人の朱子学者のこと。諸政の改革に着手した老中松平定信は,諸学の分立抗争の弊を正すため,柴野栗山 (彦輔) ,岡田寒泉 (清助) ,尾藤二洲 (良佐) を湯島聖堂儒官とし,大学頭林信敬を助けて寛政異学の禁を実行し,朱子学による学問思想統制にあたらせた。信敬の没後は述斎が大学頭となり,定信の引退後は古賀精里 (弥助) が寒泉後任となり,栗山,二洲とともに聖堂を中心とする幕府の学制の改革をはかった。これにより,それまでの林家の私学的傾向の強かった聖堂は昌平坂学問所,幕府の官学として確立され,朱子学は幕府の正統的教学としての位置を確固たるものにした。諸藩も漸次これにならうようになり,「異学の禁」はその目的を達成しえた。そこで一般に栗山,二洲のほかに寒泉または精里を加えて寛政の三博士,あるいは三助と称する。

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百科事典マイペディア 「寛政の三博士」の意味・わかりやすい解説

寛政の三博士【かんせいのさんはかせ】

江戸時代後期,寛政(1789年―1801年)ころ,幕府の昌平黌(しょうへいこう)の教官であった柴野栗山(りつざん)・尾藤二洲(びとうじしゅう)・岡田寒泉(かんせん)の3人の朱子学者をいう。寛政改革一環として打ち出した儒学(とくに朱子学)振興策(寛政異学の禁)推進活躍
→関連項目寛政異学の禁

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寛政の三博士」の意味・わかりやすい解説

寛政の三博士
かんせいのさんはかせ

江戸後期の寛政(1789~1801)のころ、幕府学問所の昌平黌(しょうへいこう)儒官に登用され、朱子学の振興と学制の刷新に活躍した柴野栗山(しばのりつざん)(彦輔(ひこすけ))、岡田寒泉(かんせん)(清助(せいすけ))、尾藤二洲(びとうじしゅう)(良佐(りょうすけ))の3人をいう。あるいは、寒泉が代官に転出したあと儒官に登用された古賀精里(こがせいり)(弥助(やすけ))と、栗山、二洲の3人をさすこともある。いずれも、通称にスケの字がついているので、「寛政の三助」ともいわれた。

[竹内 誠]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「寛政の三博士」の解説

寛政の三博士
かんせいのさんはかせ

江戸時代の寛政の改革期,幕府に登用されて聖堂学問所(昌平黌(しょうへいこう),のち幕府直営化されて昌平坂学問所)の学政や教育の改革にあたった3人の朱子学者。柴野栗山(りつざん)(彦輔)・岡田寒泉(かんせん)(清助)・尾藤二洲(じしゅう)(良佐)を当時の人がよんだ名称で,寒泉が1794年(寛政6)代官に転じ,96年古賀精里(弥助)が登用されると,この3人をさすようになった。いずれも通称にスケがつくため,寛政の三助ともいわれた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「寛政の三博士」の解説

寛政の三博士
かんせいのさんはかせ

江戸後期,幕府の教学政策の中心となった3人の朱子学者
柴野栗山・尾藤二洲・古賀精里(または岡田寒泉)の3人をいう。老中松平定信は寛政異学の禁を実行するため彼らを湯島聖堂の儒官とし,朱子学による学問・思想の統制を行った。

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世界大百科事典(旧版)内の寛政の三博士の言及

【古賀精里】より

…江戸中期の儒学者。名は樸,字は淳風,弥助と称す。精里は号。本姓は劉氏。佐賀藩士の家に生まれ,はじめ陽明学を学び京坂に遊学して朱子学に転ず。帰国後藩政に参与し藩校弘道館の教授となる。1796年(寛政8)幕府の儒者に抜擢されて学政の振興につとめ,柴野栗山,尾藤二洲とともに〈寛政三博士〉と称された。著作に《四書集釈》《大学纂釈》,施政の要を論じた《十事解》などがある。【頼 祺一】…

※「寛政の三博士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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