普及版 字通 「尽(漢字)」の読み・字形・画数・意味
尽
常用漢字 6画
(旧字)盡
人名用漢字 14画
[字訓] つきる・つくす・きわめる・ことごとく
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
旧字は盡に作り、聿(いつ)+皿+水滴の象。深い器の中を洗うために、細い木の枝のような棒(聿)を入れ、水を加えて器中を洗滌(せんでき)することを示す。〔説文〕五上に「中、しきなり」とあり、器中を洗うことによって終尽の意を示す。終尽の意から、すべてを傾注する、ものを究極する意となる。
[訓義]
1. つきる、おわる。
2. つくす、きわめる、くわしくする、はたす。
3. ことごとく、すべて、みな。
4. つもごり。
5. 儘と通じ、まま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕盡 ツキヌ・ツクス・コトコトク・ククル・コゾル・アツ 〔立〕盡 ウツス・ツクス・コトコトク・ヲフ・カタチ・ハルカ・カム・ムナシ
[声系]
〔説文〕に盡を(じん)声に従う形声字とし、十上を「火の餘木なり」とするが、はおそらく燼の省略形で、燼は盡声の字である。盡がもし(しん)に従う形の字であるならば、の声義を取ることも考えられるが、盡の卜文・金文の字形は明らかに器中を洗滌する形で、津液の字とは同じでない。〔説文〕に盡声としてなど二字を収める。
[語系]
盡dzien、燼()・zienは声義近く、燼は余燼、も薪などの焼け残りをいう。dzienは津液、その液を除いて治療することをdzienといい、ともに盡と同声であるから、声義の関係があると考えてよい。また殄dynも声近く、〔説文〕四下に「盡くるなり」と訓する字である。
[熟語]
尽哀▶・尽意▶・尽家▶・尽管▶・尽歓▶・尽勤▶・尽竭▶・尽言▶・尽古▶・尽索▶・尽思▶・尽歯▶・尽室▶・尽日▶・尽觴▶・尽情▶・尽心▶・尽身▶・尽人▶・尽瘁▶・尽性▶・尽夕▶・尽贍▶・尽殲▶・尽善▶・尽多▶・尽忠▶・尽頭▶・尽年▶・尽美▶・尽命▶・尽劉▶・尽力▶
[下接語]
意尽・雨尽・気尽・興尽・曲尽・傾尽・竭尽・語尽・才尽・自尽・秋尽・詳尽・燭尽・勦尽・尽・盪尽・不尽・乏尽・無尽・目尽・漏尽
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報