山茱萸(読み)サンシュユ

デジタル大辞泉 「山茱萸」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゅゆ【山××萸】

ミズキ科の落葉小高木。葉は楕円形樹皮ははげやすい。早春、葉より先に黄色の小花を密につける。実は熟すと赤くなり、漢方滋養強壮薬とする。朝鮮半島中国原産で、庭木にする。 花=春 実=秋》「―の既に黄の濃きつぼみかな/年尾

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精選版 日本国語大辞典 「山茱萸」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゅゆ【山茱萸】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ミズキ科の落葉小高木。朝鮮中部の原産で、日本へは享保年間(一七一六‐三六)に薬用植物として渡来、現在では観賞用に栽植される。幹は高さ三~五メートルになり、樹皮はうろこ状にはげ落ちる。葉は対生し短柄をもち、長卵形で先はとがり、裏面は白緑色で葉脈には褐色の細毛を密生する。早春、葉に先だって、小枝の先に四枚の苞葉に包まれた小さな黄色の四弁花を球状に多数密集してつける。果実は長さ約一・五センチメートルの長楕円形で、酸味があるが赤く熟し食べられる。漢方では果実を乾燥したものを解熱・強壮薬に用いる。漢名の山茱萸は、中国産の別の植物の名。はるこがねばな。あきさんご。

▼さんしゅゆの花 《 季語・春 》

▼さんしゅゆの実 《 季語・秋 》 〔大和本草(1709)〕

  1. [初出の実例]「山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ」(出典:古鏡(1942)〈水原秋桜子〉)
  2. 漢方薬。ミズキ科のサンシュユの果実。滋養強壮、強精、収斂(しゅうれん)の効がある。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「山茱萸」の解説

さんしゅゆ【山茱萸】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。ミズキ科サンシュユ果肉を乾燥したもの。疲労回復、滋養強壮止血などの作用がある。排尿困難むくみかすみ目に効く牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)前立腺(ぜんりつせん)肥大勃起不全糖尿病高血圧に効く八味地黄丸(はちみじおうがん)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「山茱萸」の解説

山茱萸 (サンシュユ・ヤマグミ)

学名:Cornus officinalis
植物。ミズキ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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