① ミズキ科の落葉小高木。朝鮮中部の原産で、日本へは享保年間(一七一六‐三六)に薬用植物として渡来、現在では観賞用に栽植される。幹は高さ三~五メートルになり、樹皮はうろこ状にはげ落ちる。葉は対生し短柄をもち、長卵形で先はとがり、裏面は白緑色で葉脈には褐色の細毛を密生する。早春、葉に先だって、小枝の先に四枚の苞葉に包まれた小さな黄色の四弁花を球状に多数密集してつける。果実は長さ約一・五センチメートルの長楕円形で、酸味があるが赤く熟し食べられる。漢方では果実を乾燥したものを解熱・強壮薬に用いる。漢名の山茱萸は、中国産の別の植物の名。はるこがねばな。あきさんご。