川俣(町)(読み)かわまた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「川俣(町)」の意味・わかりやすい解説

川俣(町)
かわまた

福島県中通り北部、伊達郡(だてぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)富田(とみた)、福田小島(おじま)、飯坂(いいざか)、小綱木(こつなぎ)、大綱木、山木屋(やまきや)の7村と合併。町域は阿武隈(あぶくま)高地西縁の丘陵地にあり、古来小手保(おでほ)(小手郷(おでごう))とよばれたが、川俣市街は広瀬川上流の小盆地内にあり、地形的にもこの地方の中心である。国道114号と349号が交差し、JR東北本線福島駅、松川駅(福島市)からバス路線がある。古くから絹織物業が盛んで、養蚕が主要産業であった。明治以降はアメリカ向け軽目羽二重(かるめはぶたえ)の産地となった。第二次世界大戦後は化合繊維織物が多くなり、縫製、電気機器などの工場も立地した。絹市(きぬいち)の行事が行われている。農業は米、葉タバコ、畜産と多彩。面積127.70平方キロメートル、人口1万2170(2020)。

[渡辺四郎]

〔東日本大震災〕2011年(平成23)の東日本大震災では死者29人、住家全壊28棟・半壊30棟を数えた(消防庁災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第159報)」平成31年3月8日)。あわせて東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染によって町域東南の山間部避難指示区域(のちに避難指示解除準備区域居住制限区域帰還困難区域再編)となったが、2017年に避難指示は解除された。なお、2016年には役場新庁舎が開庁している。

[編集部 2019年10月18日]

『『川俣町史』全3巻(1976~1982・川俣町)』


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