コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

チツ

デジタル大辞泉の解説

ちつ【×帙】

[名]書物の損傷を防ぐために包む覆い。厚紙を芯(しん)とし、表に布をはって作る。文巻(ふまき)。文包(ふみづつみ)。
[接尾]助数詞。帙入りの本を数えるのに用いる。「和本三

ちつ【帙】[漢字項目]

[音]チツ(漢)
本を包むおおい。「書帙巻帙

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

帙【ちつ】

唐本,和本を保存するためのおおい。中国における最初の形態は明らかではないが,冊子本になってからは厚紙に布を張り書物の形に応じて折り曲げ,爪(つめ),紐(ひも)などで留める形式になった。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ちつ【帙 zhì】

中国で用いられた書籍整理の用具。袠,袟などとも書く。後漢の許慎の《説文解字》には〈書衣なり〉と説明するのを,清の段玉裁は〈用いて書を裹(つつ)む者を謂う〉と敷衍し,また梁の顧野王の《玉篇》には〈小囊なり〉という。おそらく袋状のものであったと思われる。本の形が今のいわゆる和とじの体裁に固定するようになって以後,まもなく,厚紙に布を貼ったものを5枚に折り,重ねた書物の上下左右の4面を保護した形となり,特に上部は厚紙2枚が重なる今の体裁になったと思われる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ちつ【帙】

[2][1] ( 名 )
和本などの書物を保存するために包む覆い。厚紙を芯しんにして、丈夫な布や紙を貼りつけたもの。
( 接尾 )
助数詞。書物を に入れ、それを単位として数えるのに用いる。 「五巻ずつ二-に収める」
[句項目]

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


ちつ

書物を保護するために包む覆い。書帙(しょちつ)、書套(しょとう)ともいう。『源氏物語』などには「帙簀(ちす)」(または「ぢす」)とある。巻子本(かんすぼん)を巻き包むためにつくられたのが初めで、中国では、古くは絹や麻布で帙をつくった(『後漢書(ごかんじょ)』など)。わが国の奈良・平安時代の帙は、細い竹を芯(しん)にして、絹糸で模様を編み出し、錦(にしき)で四周を縁どり、裏には白絹や緋綾(ひあや)を張るなど華麗である。正倉院には「最勝王経帙(さいしょうおうきょうのちつ)」など、天平(てんぴょう)時代のものが伝存している。巻子本から発展して冊子本(さっしぼん)が現れてからは、帙の形は厚紙を芯として、布張りした折り畳み式になったが、このほか、書物よりやや大きい板二枚の間に書物を挟み、紐(ひも)で結ぶ板帙(いたちつ)(または「夾板(きょうばん)」)もある。[金子和正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のの言及

【巻子本】より

…《延喜式》の巻十二には,巻の前2行と末1行あけて書名を書くことが定められている。これらの巻子は細織の竹簾(すだれ)様の内側に絹布をはった帙(ちつ)で5巻あるいは10巻を包んだ。《源氏物語》の〈賢木(さかき)〉〈若菜〉の巻にも帙簀(ぢす)とあるのはそれである。…

【製本】より

…標題紙の幅は,本の大きさによって一定しない。
[帙(ちつ)のつくり方]
 和本類を保存するには,上等のものはすべて帙入れ(ちついれ)とする。帙には,〈無双帙〉(丸帙ともいう)という標準型のほか,半袖,鏡帙,四方帙などがあり,ほかに〈つばくろ〉とか〈たとう〉のような簡単なものもある。…

※「帙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

帙の関連キーワード竹工芸(ちっこうげい)帙・秩・窒・蟄万葉集美夫君志近世説美少年録小鉤・鞐・小鈎アトキンソン字音仮名遣い百万塔陀羅尼武者小路公共サキャ全書牙籤・牙籖丹鶴叢書助数詞長屋王夷堅志帙入り池大雅上包み巻子本唐本

今日のキーワード

やおら

[副]1 ゆっくりと動作を起こすさま。おもむろに。「やおら立ち上がる」2 静かに。そっと。「姫君、御硯(すずり)を―引き寄せて」〈源・橋姫〉[補説]文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

帙の関連情報