平安座島(読み)へんざじま

日本歴史地名大系 「平安座島」の解説

平安座島
へんざじま

勝連かつれん半島の東北東約三・五キロに位置し、面積が五・二二平方キロの低島。与勝よかつ諸島のうちで、与那城町に属する有人島。「おもろさうし」巻一六の二八には「ひやむさ」、巻一六の五には「ひやもさ」と書かれている。北西―南東方向に約二・五キロの長軸を有する楕円形状の主体部と、その南東部に形成された砂嘴の部分が元の島の大きさである。北東側の宮城みやぎ島との間の遠浅海岸が一九七五年(昭和五〇年)に埋立てられた。島の北西端から南東端まで延びる標高約六五―九〇メートルのほぼ平らな頂上部を有する尾根があり、そのほぼ中央部(集落の北)に最高標高一一五・六メートルの断層に沿う石灰岩堤の高まりがある。尾根の南西側は急な斜面をなし、北東側斜面は元々比較的急な斜面地であったが現在は石油備蓄基地の建設で階段状の地形に改変されている。尾根の北西端と南西端は崖になっている。島の西海岸、勝連半島との間には遠浅の海岸が広がる。地質的には新第三紀鮮新世の泥岩を主とする島尻層が基盤をなし、その上を第四紀更新世の琉球石灰岩が覆っている。集落は冬季の季節風(北―北東風)を避けるように南西部の砂嘴上に立地し、その東端に漁港がある。集落内の道路網は整然としている。集落内には郵便局・交番、小・中学校、ホテルなどがある。尾根の頂上部から北東の埋立地(平宮)石油精製・備蓄基地として利用され、数十基の石油備蓄用タンクが設置される。

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改訂新版 世界大百科事典 「平安座島」の意味・わかりやすい解説

平安座島 (へんざじま)

沖縄県沖縄島本島)中南部東海岸に突出する与勝(勝連)半島の北東側,金武(きん)湾口に点在する与勝諸島の一島で,うるま市に属する。周辺の美しい静かな海は1965年与勝海上公園に指定されたが,68年にアメリカの石油会社ガルフ・オイルが進出,71年には石油備蓄基地(CTS)の建設が始まり,平安座島をはじめ宮城(みやぎ)島,伊計(いけ)島,浜比嘉(はまひが)島などの島々とその周辺の海は激変した。平安座島と与勝半島の屋慶名(やけな)との間に4.8kmの海中道路が完成したのをはじめ,平安座島と宮城島の間は埋め立てられて石油貯蔵タンクが立ち並び,宮城島と伊計島は伊計大橋で結ばれ陸続きとなった。第2次大戦前は農業,漁業海運業が行われていた。とくに海運業は,全盛時代には100隻近くの山原(やんばる)船(平安座船)を擁し,沖縄本島内の国頭(くにがみ)地方と中・南部の泡瀬,与那原(よなばる),糸満,泊(那覇)の各港を結んで交易したほか,遠くは先島諸島や奄美諸島まで出航した。戦後はまったく姿を消し,島内の耕地もCTS建設以後激減している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平安座島」の意味・わかりやすい解説

平安座島
へんざじま

沖縄県沖縄島中部東海岸,与勝半島北東に浮かぶ島。うるま市に属する。半農半漁の島であったが,石油貯蔵基地がつくられ,沖縄島との間に海中道路が通じるようになった。さらに宮城島,伊計島とも道路で結ばれている。面積 5.32km2(埋立地を含む)。人口 1391(2005)。

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デジタル大辞泉プラス 「平安座島」の解説

平安座島

沖縄県、沖縄本島与勝半島の北東に位置する島。「へんざじま」と読む。行政的にはうるま市に属し、面積は約5.32平方キロメートル。本島とは海上道路で結ばれている。巨大な石油貯蔵基地があり、基地内に市指定史跡の平安座西(イリ)グスクがある。

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