日本歴史地名大系 「広田遺跡」の解説
広田遺跡
ひろたいせき
広田遺跡
ひろたいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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鹿児島県熊毛郡南種子町平山字広田にある弥生時代の墓地。遺跡は種子島東岸の海岸砂丘に位置する。1956-59年,金関丈夫らが,上下2層に重なる集団墓地を発掘した。上層は集骨再埋葬の痕跡をとどめ,弥生後期の土器をともなう。これらの再葬人骨には文様を刻んだ多くの貝製品が副葬され,そのうちの1点に〈山〉字を刻んだものがある。下層では,数多くの遺骸が仰臥屈葬され,弥生前期末~中期初頭の土器をともなっている。下層の遺骸のあるものは貝製腕輪を着装して葬られ,複雑な文様を刻んだ貝符や竜形につくられた貝製品,貝製小玉などを身に着けたものも少なくない。貝符の文様は沖縄本島,奄美大島などの縄文後期ごろの諸遺跡から出土する骨製品のそれと酷似しているので,島伝いに北上・波及した文化の流れを想定しうる。上層の集骨再埋葬習俗も南から伝わったと見られ,それらの源流を中国江南地方の文化に求める説も出されている。
執筆者:金関 恕
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古代中国の金縷玉衣(きんるぎよくい)はその衣装,葬玉(そうぎよく)は死者用の玉(ぎよく)である。鹿児島県種子島の弥生時代の墓地,広田遺跡で出土した貝製の装身具には,生前着用のものと埋葬用のものとが区別できる。また,死者に仮面をかぶせることも多い(エジプト,ミュケナイ,エトルリア,ローマ,遼など)。…
※「広田遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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