庄内川(読み)しょうないがわ

日本大百科全書(ニッポニカ)「庄内川」の解説

庄内川
しょうないがわ

名古屋市の北部および西縁部を取り巻いて伊勢(いせ)湾に注ぐ。一級河川。延長96キロメートル、流域面積1010平方キロメートル。美濃三河(みのみかわ)高原に源を発し、上流は土岐川(ときがわ)ともよばれる。途中玉野渓谷(古生層山地を切る峡谷)をなし、高蔵寺(こうぞうじ)以南は平坦(へいたん)部を流れる。名古屋市北部で矢田川を合流する。上流の土岐川沿岸は多治見(たじみ)、土岐、瑞浪(みずなみ)などの窯業地帯で工場排水、下流は名古屋市の下水流入で、わが国有数の白濁河川といわれた。下流の洪水も頻繁で、五条川との間には天明(てんめい)年間(1781~1789)新川が開削された。近年は清流化が進み、河口周辺(藤前(ふじまえ)干潟)は国内最大級のシギ・チドリ類飛来地。2002年(平成14)ラムサール条約の登録湿地に指定された。

[伊藤郷平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「庄内川」の解説

庄内川
しょうないがわ

岐阜県南東部から愛知県西部を流れる川。全長約 80km。上流は土岐川(ときがわ)と呼び,木曾山脈南部に源を発する。小里川(おりがわ),肥田川,妻木川などの支流を合わせて南西に流れ,春日井市で愛知県に入って庄内川となる。名古屋市の北部で矢田川を合流して流路を南に変え,伊勢湾に注ぐ。上流部では瑞浪盆地,土岐盆地,多治見盆地を形成,中流部で定光寺渓谷を刻み,高蔵寺から平野に入る。流域の基盤は花崗岩が主で,その上に新第三紀層を載せ,陶土を産出。森林の生育条件は悪く,窯業燃料としての森林伐採の影響も残っている。上流部は陶土の採掘,洗浄などによって白濁河川となり,中流部も製紙工場の廃液や名古屋市の下水が流入して,汚濁が著しく,改善のため諸施策がとられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア「庄内川」の解説

庄内川【しょうないがわ】

愛知県北部の川。長さ96km。上流部は土岐川と呼ばれ,木曾山脈南部に発し,瑞浪(みずなみ),土岐津,多治見などの盆地をつくって南西流,愛知県に入って庄内川となる。名古屋市の北部で矢田川を合わせ,市の西境を南流して伊勢湾に注ぐ。中流部には瀬戸市をはじめ窯業都市が多い。《尾張名所図会》では川筋の奇観を賞賛している。陶業に伴う山林の乱伐などによって,江戸時代には水害が少なくなかった。
→関連項目西枇杷島[町]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典「庄内川」の解説

しょうない‐がわ シャウナイがは【庄内川】

愛知県西部を流れる川。岐阜県恵那市南方の山地に発し、名古屋市の北部、西部を流れて伊勢湾に注ぐ。岐阜県を流れる上流部は土岐川と呼ばれる。全長八二キロメートル。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「庄内川」の解説

しょうない‐がわ〔シヤウナイがは〕【庄内川】

愛知県西部を流れる川。岐阜県恵那市の山地に発し、名古屋市の北部から西縁部を流れ、伊勢湾に注ぐ。岐阜県内では土岐川(ときがわ)とよばれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版「庄内川」の解説

しょうないがわ【庄内川】

木曾山脈の西側,岐阜県恵那市三郷(みさと)町を水源とし,木曾川矢作(やはぎ)川の間を南西方向に流れ伊勢湾に注ぐ川。全流域面積1010km2,幹線流路延長96kmで,名古屋市を流下する最大の河川である。岐阜県域では佐々良川,妻木川などの支流を集め,土岐市,多治見市などの窯業都市を貫流し,愛知県境の丘陵地に古虎渓の渓谷をうがち,濃尾平野に出る。春日井市から河口近くまでは天井川化しており,過去にはしばしばはんらんが起こった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

急急如律令

中国漢代の公文書の末尾に、急々に律令のごとくに行え、の意で書き添えた語。のち、呪文(じゅもん)の終わりに添える悪魔ばらいの語として、道家・陰陽師(おんようじ)・祈祷僧(きとうそう)などが用いた。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android