得業生(読み)トクゴウショウ

デジタル大辞泉 「得業生」の意味・読み・例文・類語

とくごう‐しょう〔トクゴフシヤウ〕【得業生】

古代学制で、明経紀伝文章)・明法の各道の学生がくしょうから成績優秀の者を選んで与えた身分。一定期間の修学後、試験により修了を認定されて、専門官職に就いた。

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精選版 日本国語大辞典 「得業生」の意味・読み・例文・類語

とくごう‐しょうトクゴフシャウ【得業生】

  1. 〘 名詞 〙 令制下の学制で、明経・紀伝(文章)・明法・算各道の生(しょう)から選抜された成績優秀なごく少数の者に与えられた身分。紀伝道には後に給料学生から選ばれる場合も生じた。いずれも一定年限の修学の後、試験により修了を認定され、各道の教官その他の専門職に就く。天平二年(七三〇創置。文章得業生が室町初期まで存続する他は平安後期に消滅。得業の生。とくぎょうせい。〔令集解(730)〕

とくぎょう‐せいトクゲフ‥【得業生】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 得業した者。卒業生
    1. [初出の実例]「学校の教授は師範、助教及得業生を以てす」(出典:和蘭学制(1869)〈内田正雄訳〉小学条例)
  3. とくごうしょう(得業生)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「得業生」の解説

得業生
とくごうしょう

「とくぎょうせい」とも。大学寮などにおかれ,より高度な学問・技術の習得を期待された上級コースの給費生。730年(天平2)大学寮に明経(みょうぎょう)得業生4人,文章(もんじょう)・明法(みょうぼう)・算得業生各2人,陰陽(おんみょう)寮に陰陽得業生3人,天文・暦得業生各2人,典薬寮医得業生3人がおかれたのに始まる。医得業生は814年(弘仁5)4人に増員。808年(大同3)設置の紀伝博士のもとにも紀伝得業生がおかれたが,834年(承和元)に廃された。大宰府にも845年以前に得業生4人がおかれた。

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