御台場(読み)オダイバ

デジタル大辞泉 「御台場」の意味・読み・例文・類語

お‐だいば【御台場】

江戸幕府が江戸品川沖に築いた砲台。特にそのうち品川台場をさす。
台場

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精選版 日本国語大辞典 「御台場」の意味・読み・例文・類語

お‐だいば【御台場】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. ( 「だいば(台場)」の敬称 ) 江戸時代、砲台のこと。幕末異国船に備え各所海岸に設けられたが、普通には江戸品川沖に築かれたものをさす。
    1. [初出の実例]「内海へ厳重の御台場御取立被仰出」(出典:日本財政経済史料‐一・財政・諸費・文武費・嘉永六年(1853)八月二〇日)
  3. 嘉永七年(一八五四)から発行された嘉永一朱銀(一両の十六分の一に当たる)の異称。当時築造中の品川台場の人足賃(銭二百五十文)として盛んに使われたところからいう。
    1. [初出の実例]「お台場の一つも貰って髷紐(まげひも)でも買はうと思って」(出典:歌舞伎・怪談月笠森(笠森お仙)(1865)序幕)

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日本歴史地名大系 「御台場」の解説

御台場
おだいば

[現在地名]津市港町

岩田いわた川口新堀開設は外国船防備の港で、安政六年(一八五九)建造の洋式新藩船神風丸の基地でもあった。新堀より四年遅れて、文久三年(一八六三)御台場が築造された。岩田川上流の山地から大量の土砂を船で運び、新堀の西南隅に砲台を築いた。大砲は岩田川口をにらんでいた。慶応二年(一八六六)岡安定日記(岡嘉平治氏蔵)に「贄崎御台場の大砲御試み御祝発有之候事」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御台場」の意味・わかりやすい解説

御台場
おだいば

江戸時代における砲台の別称。台場,大筒台場ともいい,特に品川沖に設けられたものをさす。品川の御台場はペリー来航のとき,江川太郎左衛門英龍らによって建設されたもので,11ヵ所を予定していたが,嘉永6 (1853) 年着工,翌安政1 (54) 年に完成したのは5ヵ所 (第1,2,3,5,6台場) のみで,あとは中止。実際に用いられたことはなく,1926年史跡に指定され,陣屋,火薬庫跡が残されている。付近一帯は,東京湾臨海副都心の一部として,公園,レジャー施設が建設されている。

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世界大百科事典(旧版)内の御台場の言及

【台場】より

…江戸時代に築造された砲台のこと。とくに,幕府築造の東京湾品川沖の砲台を御台場という。1853年(嘉永6)ペリーの率いる軍艦が羽田沖まで進出したことに驚いた幕府は,再来日に備え,伊豆韮山代官江川太郎左衛門(英竜)らの献策により,8月,品川沖に11基の台場の築造を決定した。…

※「御台場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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