(読み)まん

日本大百科全書(ニッポニカ)「慢」の解説


まん

仏教で説く煩悩(ぼんのう)の一つ。サンスクリット語マーナmānaの訳。自分を高くみて他を軽視する、自己中心的な思い上がりの心。こうした心理を分析して三慢、七慢、九慢などが説かれる。このなかに「我慢(がまん)」も含まれるが、これは今日の日本語の、自己を抑制する意味の「我慢」とはむしろ逆の心理状態であり、強い自我意識からおこる慢心をいう。

[池田練太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「慢」の解説

まん【慢】

〘名〙 (形動) (māna の訳) 仏語。思いあがって人をあなどること。また、そのさま。これに七慢、八慢、九慢など、種々の心のはたらきを数える。慢心。
※文明本節用集(室町中)「有恭敬而心慢(マンナル)〔六韜〕」 〔倶舎論‐一九〕

まん‐・ずる【慢】

〘自サ変〙 まん・ず 〘自サ変〙 自慢する。ほこる。慢心する。うぬぼれる。
※両足院本山谷抄(1500頃)一「此句は我身をまんして人をそしるを云ぞ」 〔礼記‐緇衣〕

まん‐・ず【慢】

〘自サ変〙 ⇒まんずる(慢)

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