契約状の一種。〈あそ〉〈あっそ〉〈あしょ〉とも読む。平安後期から戦国時代にかけてみられる中世に特有の文書形式であるが,その性格はほとんど不明。《沙汰未練書》には〈押書トハ未成事兼入置状也〉とある。用例としては売買貸借契約に伴う押書,あるいは請文に等しい押書がみられる。これらから推すと,押書とは契約の相手に対して,将来において発生しうると予測される契約相手の不利益について,その解決のために果たすべき事項を契約締結時に前もって契約しておく文書といえよう。特殊なものとしては鎌倉幕府が濫訴の防止を目的として訴論人に提出を求めた懸物押書があった。これは訴論人が敗訴の際には自己所領を相手方または第三者に去り渡すことを契約する文書である。さらにまた南北朝~室町前期の一族一揆による裁許状が押書と呼ばれた。〈押〉字に請け合う,担保するの意をうかがう説もある。
執筆者:小田 雄三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…平安後期から戦国時代にかけてみられる中世に特有の文書形式であるが,その性格はほとんど不明。《沙汰未練書》には〈押書トハ未成事兼入置状也〉とある。用例としては売買貸借契約に伴う押書,あるいは請文に等しい押書がみられる。…
…平安後期から戦国時代にかけてみられる中世に特有の文書形式であるが,その性格はほとんど不明。《沙汰未練書》には〈押書トハ未成事兼入置状也〉とある。用例としては売買貸借契約に伴う押書,あるいは請文に等しい押書がみられる。…
…平安後期から戦国時代にかけてみられる中世に特有の文書形式であるが,その性格はほとんど不明。《沙汰未練書》には〈押書トハ未成事兼入置状也〉とある。用例としては売買貸借契約に伴う押書,あるいは請文に等しい押書がみられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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