(読み)こす

精選版 日本国語大辞典 「挙」の意味・読み・例文・類語

こ‐・す【挙】

〘他サ変〙 (「こ」は「挙」の呉音)
① 持ち上げる。あげる。きょす。
霊異記(810‐824)上「磁石鉄山を挙(コし)て鉄を嘘(す)ふよりも過ぎ〈興福寺本訓釈 挙 去〉」
正法眼蔵(1231‐53)転法輪「いま挙するところの一人発真帰源、十方虚空、悉皆消殞は」

きょ【挙】

〘名〙
① ある計画に基づいた行動。また、そのくわだて。計画。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八「此時かくの如き衆寡敵せざる大兵に向ふは、冒昧の挙(〈注〉シゴト)に似たり」
② 推薦すること。推挙すること。また、推薦文。
大鏡(12C前)三「前頭の挙によりて」 〔春秋左伝‐荘公二三年〕

こぞ・る【挙】

[1] 〘自ラ四〙 ことごとく集まる。一人残らずそろう。
富家語(1151‐61)「一家人々こそりしほどに」
[2] 〘他ラ四〙 残らず人を集める。
※大唐西域記長寛元年点(1163)一「国を挙(コゾ)て僧徒皆来て会集す」

きょ‐・す【挙】

〘他サ変〙 物をさしあげる。あげる。転じて、人や事をある地位に推薦する。推挙する。また、あげ用いる。登用する。
玉葉‐治承二年(1178)正月五日「王氏爵事、往昔第一親王挙之、中古以来、諸王之中為長者之者挙之」

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デジタル大辞泉 「挙」の意味・読み・例文・類語

きょ【挙〔擧〕】[漢字項目]

[音]キョ(漢) [訓]あげる あがる こぞる
学習漢字]4年
高く持ち上げる。「挙手
多くのものの中から取り上げる。「挙用科挙推挙選挙枚挙列挙
事を起こす。起こした事柄。「挙行挙式挙兵一挙快挙義挙再挙壮挙暴挙
ふるまい。「挙止挙動
…をあげて全部。こぞって。「挙国挙党
とらえる。「検挙
[名のり]しげ・たかたつ・ひら

きょ【挙】

行動。振る舞い。くわだて。「反撃に出る」
ひきたて。推挙。
さきとうの―によりて」〈大鏡伊尹
[類語]行動おこな振る舞い行為活動動き所行しょぎょう言動言行げんこう行状ぎょうじょう行跡ぎょうせき沙汰

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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