擁する(読み)ヨウスル

デジタル大辞泉 「擁する」の意味・読み・例文・類語

よう・する【擁する】

[動サ変][文]よう・す[サ変]
だきかかえる。いだく。
「妓を―・して喃語なんごするもの」〈木下尚江火の柱
所有する。「巨万の富を―・する」「強力なエースを―・するチーム
ひきいる。従える。「一万の兵を―・して戦う」
主人としていただく。
「四世将軍を―・し、大に将士を召して」〈田口日本開化小史
[類語]持つ有する領する占める所持保有現有領有具有私有民有公有国有官有共有占有専有所有享有所蔵収蔵私蔵秘蔵愛蔵死蔵退蔵珍蔵

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精選版 日本国語大辞典 「擁する」の意味・読み・例文・類語

よう‐・する【擁】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]よう・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 抱く。抱きかかえる。かきいだく。抱擁する。
    1. [初出の実例]「僕は里子を擁(ヨウ)して泣きました」(出典運命論者(1903)〈国木田独歩〉六)
  3. あるものを中心としてそれをとり囲む。
    1. [初出の実例]「数客桶炉を擁し、屡々烟を喫して曾て弓箭を執らず」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三)
  4. 富、財産、また、地位などをもつ。
    1. [初出の実例]「鉅万の財を擁(〈注〉モツ)せんよりは、快楽の性質を具る人とならんこそ」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一二)
  5. 上に載せる。転じて、頭(かしら)としていただく。また、頭としてもりたてる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「頼朝の寡婦即ち四世将軍を擁し、大に将士を召して曰く」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二)
  6. 率いる。従える。傘下に置く。また、手をとって引く。
    1. [初出の実例]「今聚其敗軍(ヨウシ)彼余衆雷霆之威、重待斧鉞之罪」(出典:太平記(14C後)一七)

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