持つ(読み)モツ

デジタル大辞泉 「持つ」の意味・読み・例文・類語

も・つ【持つ】

[動タ五(四)]
1 手にとる。手の中ににぎる。「重たい荷物を―・つ」「右手にペンを―・つ」
2 身につける。たずさえる。携帯する。「財布を―・たないで出かける」「いつもハンカチを二枚―・っている」
3 所有している。また、自分のものにする。「別荘を―・つ」「栄養士の資格を―・つ」「所帯を―・つ」
4 受け持つ。担当する。「重要な役目を―・つ」
5 自分のものとして引き受ける。負担する。「責任を―・つ」「費用は会社が―・つ」
6 身に備える。ある性質・状態などを有する。「ピアニストの素質を―・つ人」「不思議な輝きを―・つ宝石」
7 心の中にいだく。「悩みを―・つ」「大きな夢を―・つ」
8 場などを設ける。設定する。「党首会談を―・つ」「団体交渉を―・つ」「旅行の計画を―・つ」
9 長くそのままの状態を保ち続ける。もちこたえる。「夏場でも―・つ食品」「これじゃとてもからだが―・たない」
[可能]もてる
[下接句]江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ・男は気で持て・肩を持つ・座を持つ・所帯を持つ・臑すねに疵きず持つ・太鼓を持つ・提灯ちょうちんを持つ・根に持つ・根葉に持つ・箸はしより重い物を持たない・身が持たない・持ちつ持たれつ
[類語](1)とる・握る・携える・捧げる・捧げ持つ・手にする/(3)有する・擁する・領する・占める・所持・保有・現有・領有・具有・私有・民有・公有・国有・官有・共有・占有・専有・所有・享有・所蔵・収蔵・私蔵・秘蔵・愛蔵・死蔵・退蔵・珍蔵/(7)覚える・感じる・感ずる・催す・抱いだく

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精選版 日本国語大辞典 「持つ」の意味・読み・例文・類語

も・つ【持】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 タ行五(四) 〙
    1. ① 自分の手の中に入れて保っている。手に取る。所持する。
      1. [初出の実例]「籠(こ)もよ み籠母乳(モち) 掘串(ふくし)もよ み掘串持(もち) この岡に 菜摘ます児」(出典:万葉集(8C後)一・一)
      2. 「手にもてる物をなげ捨て」(出典:平家物語(13C前)三)
    2. ② 身につける。身に帯びる。携帯する。携行する。
      1. [初出の実例]「多遅比野に 寝むと知りせば 防壁(たつごも)も 母知(モチ)て来ましもの 寝むと知りせば」(出典:古事記(712)下・歌謡)
    3. ③ 自分の物とする。所有する。
      1. [初出の実例]「八田の 一本菅(ひともとすげ)は 子母多(モタ)ず 立ちか荒れなむ あたら菅原」(出典:古事記(712)下・歌謡)
    4. ④ そこなったり、変質したりしないようにして保つ。はじめの状態、また、よい状態で保つ。維持する。
      1. [初出の実例]「一切の法はただ道理と云二文字がもつなり」(出典:愚管抄(1220)七)
      2. 「命を長ふ持(モツ)も」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)五)
    5. ⑤ 使う。用いる。
      1. [初出の実例]「つぎねふ 山城女の 木鍬(こくは)母知(モチ) 打ちし大根」(出典:古事記(712)下・歌謡)
    6. ⑥ ある考え、気持などを心にいだく。
      1. [初出の実例]「あしひきの山路越えむとする君を心に毛知(モチ)て安(やす)けくもなし」(出典:万葉集(8C後)一五・三七二三)
    7. ⑦ 引き受ける。受け持つ。担当する。負担する。
      1. [初出の実例]「ヤク、または、ダイクヮンヲ motçu(モツ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      2. 「一切の費用は自分の方で持つ」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二二)
    8. ⑧ 謡曲で、拍子を合わせるために、引き気味に長くうたう。
      1. [初出の実例]「拍子をおきて待曲、やる曲、越してもつ曲、〈略〉早や曲、如レ此節曲共」(出典:曲附次第(1423頃))
    9. ⑨ 物事が、ある性質や状態をその中に含む。
      1. [初出の実例]「温味をもった淡い春靄(もや)を罩めて来た」(出典:青草(1914)〈近松秋江〉六)
    10. ⑩ 会合、催しなどの場を設ける。設定する。
      1. [初出の実例]「食事が終ってから、シンポジウムを持とうではありませんか」(出典:セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉八)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 タ行五(四) 〙 長くその状態が継続される。維持される。保たれる。
    1. [初出の実例]「魚は酢で持つ汝は我で持」(出典:俳諧・花見車(1702))
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( [ 一 ]を下二段に活用させて、使役性の動詞としたもの ) 持たせる。
    1. [初出の実例]「片思ひを馬にふつまに負ほせ母天(モテ)越辺に遣らば人かたはむかも」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇八一)
  4. [ 4 ] 〘 自動詞 タ行下二段活用 〙 ⇒もてる(持)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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