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放電加工 ほうでんかこうelectric discharge machining

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

放電加工
ほうでんかこう
electric discharge machining

EDMとも呼ばれる。加工液中で工具と加工物体をそれぞれ電極とし,その間で間欠的に火花放電を繰返しながら,加工物表層を微小量ずつ消耗させて加工する方法。電極には普通カーボンを用い,これをあらかじめ所望の形状に仕上げておき,加工物に転写できるので,高硬度の金属素材にも複雑な形状の穴を加工できる。加工液には灯油,スピンドル油,水などを用いる。加工時に機械的な外力が一切作用しないので加工精度も高く,型類の加工に利用される。細いワイヤで電極をつくり,これを数値制御によって任意の軌跡に沿って運動させ,所望の形状に仕上げるワイヤカット放電加工機もある。

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百科事典マイペディアの解説

放電加工【ほうでんかこう】

油中で被加工物と電極の間でアークを発生させたとき,被加工物の表面が欠落していくのを利用した加工法。硬くて,他の方法では削るのが困難な工具鋼などの穴あけや切断が高精度に行える。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうでんかこう【放電加工 electron discharge method】

油中で材料と電極との間にアークを飛ばすと材料表面が少しずつ欠落していく現象を利用して,彫刻や切削などの加工を行う方法。電極には炭素棒,銅,黄銅などが使用される。材料の切断の際に電極に細い黄銅線を使用すると,切断速度が遅いきらいはあるものの,黄銅線の太さにわずか加えた程度の切代(きりしろ)で切断ができ,歩留りがよいうえ,材料に圧力や摩擦力を加えることがないので材料に大きなひずみを残さない。また切断面は材料が溶け散るような機構で切断が進行するため,ごく薄い層だけ高温から急冷した組織になるのが特徴である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

放電加工
ほうでんかこう
electro discharge machining

金属電極間に電圧を加えると、電極間に放電がおこる。放電によって電極が消耗していく。この原理を用いて、ソ連のラザレンコ夫妻は、1943年に金属の切削に成功した。これを放電加工といい、欧文略号でEDMともいう。放電加工は通常、ケロシン油や脱イオン水中で行われ、加熱による材質の変化を防止している。電極間の電圧は1マイクロメートル当り20ボルトで、電極の形状のとおりに切削できるようになる。また電極に金属細線を用いて糸鋸(いとのこぎり)のように自由な形状に切削することができるワイヤーカット放電加工機もつくられている。これらの放電加工機は超硬合金のような難加工性材料の切削には有用であって、今日では重要な工作機の一つになっている。また、放電を利用して粉末の焼結、放電における圧力を利用した変形加工なども行われている。[本間基文]
 数十マイクロメートル単位の加工が可能となるマイクロ放電加工技術も開発されている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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