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教育評価 きょういくひょうかeducational evaluation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

教育評価
きょういくひょうか
educational evaluation

教育の目標に照して,被教育者が望ましい到達度を示したかどうかを判定すること。すなわち,教育という目標追求過程における教育の成果に関する情報の検出,その情報のフィードバック,目標達成の程度の測定評価,それに基づく教育作用の調整などの一連の過程を意味する。この過程において,教育測定が重要な位置を占め,特に評価の技術は,観察法,テスト法,心理診断法などの測定技術の発達に待つところが大きい。主要な対象領域は,個々の児童,生徒の学力,人格発達,身体発達,知能適性などの評価であるが,教師の授業方法などの評価,教材,教具,施設などの評価,家庭環境の評価も含まれる。究極的な目的は,教育目標追求の過程において,教育成果を最大ならしめるよう教育作用の調整を行うことにある。しかしこの機能は,今後次第に児童,生徒自身による学習,生活の自己評価,自己調整の機能に移行されるべきである。

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デジタル大辞泉の解説

きょういく‐ひょうか〔ケウイクヒヤウカ〕【教育評価】

児童・生徒の知能・学力・適性・性格・身体・健康などの変化を、教育目的に照らして価値判定すること。これによって教授計画改善や学習の動機づけをし、教育効果の向上を図る。

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百科事典マイペディアの解説

教育評価【きょういくひょうか】

教育における〈評価〉は,教え手の側が自らの教育実践の効果を調べ,自己点検をする側面と,学び手側が教師による評価を通じて,学習成果および学習活動を自己点検する側面とをあわせもち,次の教育・学習活動を再構成する契機となることを本来の機能とするが,序列化,ランクづけの役割のみが注目されている。
→関連項目教育心理学通知表偏差値

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世界大百科事典 第2版の解説

きょういくひょうか【教育評価】

教育評価とは,教師にとっては,みずからの教育実践をふり返り,自己反省と自己点検を行う活動であり,生徒にとっては,教師の評価活動を通して,教師から与えられるさまざまな情報を契機にみずからの学習活動を点検する活動である。したがって教育評価の活動は,単元や学期の終了時に客観テスト等を行うことにより,ある一定の集団の中での相対的な位置を確定する〈評定〉をその中に含みながら,それだけに終わってはならない。また教育評価は,一般的には,ランクづけや序列化の活動と理解されがちであるが,その機能は,本質的にはこれらとは無縁であって,〈教育実践に内在〉し,教師がみずからの教えるべき目標,教材,指導方法等を点検しなおし,〈子どもを見る目〉を一層確かなものにしていく契機なのである。

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大辞林 第三版の解説

きょういくひょうか【教育評価】

教育活動の効果について教育の目的にてらして判定し明らかにすること。教育活動の結果の量的・客観的測定とともに、それを次の目標設定や教育の改善に役立てようとするもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

教育評価
きょういくひょうか

教育評価とは、教育活動の過程や効果、ならびにその背景となる諸条件について客観的資料を集め、それを教育目標に照らして解釈し、教育活動の改善に役だてることをいう。[河合伊六・岡東壽隆]

機能

おもな機能としては、
(1)学習指導(教科指導)の効果を高めるために、児童・生徒の知能、学力、適性、興味などの個人差を明らかにし
(2)教師の指導法や教育計画の有効性を反省検討するために、児童・生徒が目標にどの程度到達しえているかの効果を判定し
(3)生活指導や道徳教育を推進するために、児童・生徒のパーソナリティーや行動や環境条件を理解し
(4)健康の増進を図るために、身体や健康の実態を知り
(5)学校経営の組織や計画の改善を図るためにその実態を調査し
(6)指導要録の記入、進級、学級編成などの管理的目的に必要な資料を集め
(7)児童・生徒に自己の進歩や到達の度合いを知らせて学習意欲を高める
などがあげられる。
 教育評価のこれらの機能を達成するには、まず、客観的な資料を集めることが必要である。20世紀に入ってアメリカで盛んになった教育測定運動では、とくにこのことが強調された。しかし、1930年ごろから、客観的資料を得るための測定だけでなく、それを教育目標に照らして解釈し意義づける評価が重視されるようになった。
 従来、教育評価は、指導がなされたあとで、教育活動の締めくくりとして行われるものと考えられていた。しかし、学習指導を例として考えてみても、次の教育実践をより効果的なものとするには、指導に先だって、児童・生徒が学習内容についてどの程度の知識をもっているかの実態を知っておく必要がある。さらに1980年代以降は、指導の前と後だけでなく、指導の途中で、児童・生徒がいまどれだけ理解しえているかを評価することの必要性と重要性が、しだいに認識されるようになった。こうして、評価には、事前に理解度やつまずきの箇所およびレディネス(構え)を調べるための診断的評価と、指導の途中でその後の方向づけの資料を得るための形成的評価と、最後に全体をまとめて教育効果を判定する総括的評価の三者があり、それらは等しく重視されるようになった。[河合伊六・岡東壽隆]

評価の方法と種類

教育評価の方法として、(1)テスト法(知能・学力・適性・性格・道徳性テストなど)、(2)質問紙調査法、(3)観察法、そして(4)事例研究法などが用いられるが、教育評価の特徴は、これらの諸方法で得られた資料を総合的に解釈する点にある。
 評価とは一定の価値基準に従って価値判断することであるが、価値基準を何にとるかによって、教育評価は次のように分けられる。
 まず「絶対評価(到達度評価)」というのは、一定の教育目標を基準とし、それにどれだけ到達しえたかによって評価される。これによれば、児童・生徒に到達すべき目標を明示して学習を方向づけうるだけでなく、教育効果の判定も容易で、指導方法の改善に直接役だつ資料が得られる。しかし、教育目標があいまいで不明確な場合、教師の主観的評価に傾きやすい欠点ももっている。
 次に「相対評価」は、学業成績の評価法として長年用いられてきたもので、集団の平均を基準とし、集団内の相対的な位置づけをするものである。これによれば、評価は機械的に客観的にできるが、過度の競争的雰囲気を生みやすいなどの欠点をもっている。相対的な評価方法の一つである偏差値は、分布の平均値と標準偏差を利用して線形変換したZ値を求め、さらにこのZ値を10倍して50を加えたものをいう。一般的に、観測される偏差値は20から80(Z得点の-3から+3)の範囲に収まる。偏差値は個人の相対的な位置を示す合理的な統計指標であるが、受験指導、進路指導のなかで使用され、輪切り選抜の道具となったり、高校や大学のランクづけに利用される「偏差値教育」として大きな問題となった。そのため、1993年(平成5)の文部省(現文部科学省)の指導通知によって、偏差値への依存を改めるため、学校のなかで業者テストを行うことが禁止された。
 最後に「個人内評価」は、個人に着目し、比較的に優れた面と劣った面をみいだそうとするものであるが、個人の知性、感性、情意などは数字で推し量られるほど単純なものではない。子供の過去・現在・未来の見通しにおいて、その子の心のなかに入り共感しあうものが評価につながる。「生きる力」は子供によってさまざまであるため、個に応じた評価が必要であり、それが個性を伸長させるものとなる。子供のよさを認め、自尊心を育てるためには、それぞれの差異や異質性を認め、それらを伸長させる働きが期待される。1990年代末の学習指導要領の改訂趣旨および指導要録のあり方はこの点をとくに重視する。とくに、「総合的な学習」の時間や「道徳」の時間などにおいては、自分で課題をみつけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力などの「生きる力」の育成を目ざす評価を志向している。[河合伊六・岡東壽隆]

教育評価を包含する学校評価

教育評価はこれまで児童・生徒の学習状況などに焦点があてられてきたが、学校経営の自主性・自律性の確立という文脈のなかで、従来の教育評価を中核としながらも、それを包含する学校評価が重要視されている。学校が組織としてどのような教育課程(カリキュラム)を編成し、どのような教育活動を展開して児童・生徒の学習成果にいかなる効果を及ぼしているのか、といった評価や、学校が保護者や地域社会と連携して児童・生徒の教育的な生活ネットワークの構築をしているかなどの評価が求められている。しかも、それを関係者に説明しなければならない責任(アカウンタビリティ)が求められている。教育評価は学習指導要領の示す目標に沿って、その到達度評価(絶対評価)を基本に、児童・生徒の「生きる力」の育成を図る学校教育全体の評価を総合的に行っていかなければならない。[河合伊六・岡東壽隆]
『橋本重治著『新・教育評価法総説』上下(1976・金子書房) ▽B・S・ブルーム著、梶田叡一・渋谷憲一・藤田恵璽訳『教育評価法ハンドブック』(1973・第一法規出版) ▽池田央著『現代テスト理論』(1994・朝倉書店)』

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