中国,朝鮮,日本の体鳴楽器。編磬(へんけい)の一変種で,起源は明らかではないが中国南北朝の北周(557-581)にはすでに存在した。厚み(音高)の異なる同じ大きさの長方形の鉄板16枚を,木架上に編磬と同様に2段に配列し,鉄の金づちで打奏する。隋・唐の燕楽の常用楽器で,日本へは奈良朝に伝来し,唐楽の楽器として用いられたが,室町時代初期にすたれた。正倉院には方響板9枚が現存している。中国,朝鮮では清朝までわずかに用いられた。
→磬(けい)
執筆者:増山 賢治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報