方響(読み)ホウキョウ(その他表記)fāng xiǎng

デジタル大辞泉 「方響」の意味・読み・例文・類語

ほう‐きょう〔ハウキヤウ〕【方響】

古代中国日本打楽器の一。音律の異なる小さい鉄板16枚を上下二段の架につるし、2本のばちで打つもの。日本には奈良時代唐楽楽器として伝わり、正倉院に鉄板9枚が遺存する。方磬ほうけい

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精選版 日本国語大辞典 「方響」の意味・読み・例文・類語

ほう‐きょうハウキャウ【方響・方磬】

  1. 〘 名詞 〙 古代中国・朝鮮・日本の打楽器。小さい鉄板一六枚を上下二段に並べ、槌で旋律的に打つ。唐以後の宮廷楽に用いる。日本には奈良朝に伝わり、正倉院に鉄板九枚が遺存する。ほうけい(方磬)。
    1. 方響〈信西古楽図〉
      方響〈信西古楽図〉
    2. [初出の実例]「銅律管一部、鉄如方響、写律管声十二条」(出典:続日本紀‐天平七年(735)四月辛亥)
    3. [その他の文献]〔楽府雑録‐方響〕

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改訂新版 世界大百科事典 「方響」の意味・わかりやすい解説

方響 (ほうきょう)
fāng xiǎng

中国,朝鮮,日本の体鳴楽器編磬へんけい)の一変種で,起源は明らかではないが中国南北朝の北周(557-581)にはすでに存在した。厚み(音高)の異なる同じ大きさの長方形の鉄板16枚を,木架上に編磬と同様に2段に配列し,鉄の金づちで打奏する。隋・唐の燕楽の常用楽器で,日本へは奈良朝に伝来し,唐楽の楽器として用いられたが,室町時代初期にすたれた。正倉院には方響板9枚が現存している。中国,朝鮮では清朝までわずかに用いられた。
けい
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「方響」の意味・わかりやすい解説

方響
ほうきょう
fang-xiang

古代中国の楽器。高低 16律をもつ長方形の鉄板 16枚を,木製の架に8枚ずつ上下2段に掛け,2本打棒で旋律を打鳴らす。宮廷の宴饗楽に用いられ,朝鮮や日本にも伝えられた。中国,日本では廃絶したが,朝鮮の雅楽では今日でも用いられている。日本には正倉院に9枚の鉄板が残欠として残っており,これと,諸文献記述をもとにした復元品も製作されている。

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普及版 字通 「方響」の読み・字形・画数・意味

【方響】ほうきよう

磬板二架を二本の木でたたく。

字通「方」の項目を見る

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