日本原水爆被害者団体協議会(読み)ニホンゲンスイバクヒガイシャダンタイキョウギカイ

デジタル大辞泉 の解説

にほん‐げんすいばくひがいしゃだんたい‐きょうぎかい〔‐ケフギクワイ〕【日本原水爆被害者団体協議会】

広島長崎原爆被害を受けた被爆者団体の全国組織。昭和31年(1956)結成所在地は東京都港区。日本被団協被団協

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

日本原水爆被害者団体協議会
にほんげんすいばくひがいしゃだんたいきょうぎかい

都道府県別に結成された原子爆弾の被害者(被爆者)団体の全国組織。略称は日本被団協。1956年8月10日,長崎県長崎市で第2回原水爆禁止世界大会開催中に結成された。それまで被爆者は互いにつながりをもたなかったが,1954年アメリカ合衆国がビキニ環礁で行なった水素爆弾実験で日本の漁船が被曝した第五福竜丸事件をきっかけに原水爆禁止運動が広がり,被爆から 10年目にして全国的に結集することになった。被爆者の唯一の全国組織として核兵器廃絶運動,国家補償要求,被爆者の援護活動,原爆犠牲者調査などに取り組む一方,世界各国で核兵器廃絶運動を展開した。1957年に原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(原爆医療法),1968年に原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(原爆特別措置法),1994年には原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律原爆被爆者援護法)の成立にこぎつけたが,国家補償の実現,核兵器廃絶などを目標に運動を進めている。また核兵器廃絶への活動が評価され,常設国際平和局 IPBによってノーベル平和賞の候補に推薦された。

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知恵蔵 の解説

日本原水爆被害者団体協議会

被爆者団体の全国連合体。1956年創立。原水爆禁止と被爆者援護を求め、原爆被害の国際的認識を深める役割を果たす。原水協分裂にもかかわらず結束維持。94年被爆者援護法の制定を導く。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の日本原水爆被害者団体協議会の言及

【原爆被爆者】より

…また,広島市,長崎市の臨床医は被爆者の慢性原爆症治療対策を推進するために関係者に働きかけ,53年にそれぞれ市原爆障害者治療対策協議会が結成された。54年,ビキニ水爆実験を契機に,放射能を含む〈死の灰〉の危険性が広く認識され,原水爆禁止運動が発展したため,全国各地の原爆被爆者はそれぞれの地域で組織をつくり,56年〈日本原水爆被害者団体協議会〉(日本被団協)に結集した。日本被団協は,原水爆被害者援護法,原水爆被害者健康管理制度の確立などを要求して運動を展開した。…

※「日本原水爆被害者団体協議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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