日本赤十字社(読み)にほんせきじゅうじしゃ(英語表記)Japanese Red Cross Society

  • にっぽんせきじゅうじしゃ〔セキジフジシヤ〕
  • にほんせきじゅうじしゃ ‥セキジフジシャ
  • にほんせきじゅうじしゃ〔セキジフジシヤ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

赤十字国際委員会承認を受け,赤十字の精神にのっとり,人道的任務の達成を目的としている団体。1877年西南戦争の傷病者救護のため,元老院議官佐野常民大給恒らによって設立された博愛社に始まる。1886年日本がジュネーブ条約に参加したので 1887年2月日本赤十字社となり,9月に赤十字国際委員会から公認された。第2次世界大戦の敗戦により公認の資格を失ったが,1952年日本赤十字社法が制定され,1953年ジュネーブ条約復帰とともに新しい活動が始まった。東京に本社都道府県支部がある。全国に病院,血液センター,社会福祉施設,看護大学などをもっている。日常的な医療活動のほか,献血の呼びかけ,災害時の救援や義援金のとりまとめなども行なっている。

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知恵蔵の解説

日本赤十字社法という法律に基づいて設立された法人。
日本赤十字社は、赤十字に関する諸条約及び赤十字国際会議において決議された諸原則の精神にのっとり、赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的とする。
赤十字は、人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性の7つを基本原則としている。世界中の赤十字がこの基本原則に従って行動し、戦争・紛争犠牲者の救援を始め、被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業などを行っている。
2011年3月11日に発生した東日本大震災において、日本赤十字社は避難所での救護所の開設や被災地の主要医療施設に医療スタッフを派遣するなどの医療救護活動や、災害救援物資の搬送、義援金の募集、被災者への「こころのケア」などを行った。
日本赤十字社の本社は東京にあり、全国47都道府県にある支部、病・産院、血液センター、社会福祉施設などを拠点に活動を行っている。
2011年4月現在、全国に、病院など104、看護師養成施設(大学・専門学校など)26、血液事業施設212、社会福祉施設28の施設があり、5万9000人の職員がいる。
赤十字のシンボルとなっている、白地に赤い十字のついた「赤十字マーク」は、戦争や紛争などで傷ついた人々と、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設などを保護するためのマークである。紛争地域などで「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められている。

(星野美穂  フリーライター / 2011年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

災害救護や医療、社会福祉などの事業を手がける認可法人。1877(明治10)年、西南戦争で生じた両軍の傷病者を助けようと、元佐賀藩士で明治初期の立法府「元老院」の議官だった佐野常民らが働きかけ、設立された「博愛社」が前身。日本がジュネーブ条約に加盟したことに合わせ、87年に「日本赤十字社」と改称された。山口県支部は88年10月に創設された。赤十字の標章は、国際赤十字組織の創始者アンリ・デュナンの祖国敬意を表し、スイス国旗配色を逆にしたものが基になっている。

(2017-04-12 朝日新聞 朝刊 山口全県・2地方)

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デジタル大辞泉の解説

赤十字精神にのっとって、戦争や災害時に救護・医療を行う日本における組織。明治10年(1877)西南の役の際に佐野常民らによって設立された博愛社を前身とし、明治20年(1887)国際的に公認され現名に改称。現在は昭和27年(1952)の日本赤十字社法による認可法人日赤JRCS(Japanese Red Cross Society)。

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百科事典マイペディアの解説

日赤と通称。赤十字の精神にのっとり救護活動を行う特殊法人。1886年赤十字条約に日本が加盟したのに伴い1887年博愛社を改称。災害救助,病院経営,看護婦・助産婦の養成,医療社会事業等を行う。国の救護業務の委託を受け,厚生大臣の監督と国・地方公共団体の助成を受ける。
→関連項目災害救助法佐野常民赤十字社

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世界大百科事典 第2版の解説

赤十字に関する諸条約および赤十字国際会議において決議された諸原則の精神にのっとり,赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的として,病院経営,災害救助等種々の事業を行っている法人。西南戦争で出たおびただしい死傷者のうち,官軍側の負傷者は軍病院に収容されて手当てをうけたが,西郷側の死傷者は山野に放置され,その惨状は目をおおわしめた。これに対して元老院議官佐野常民らは,西郷側の暴徒といえども天皇赤子であることには変わりないと政府に請願書を提出,かつて佐野が藩主の命でパリに行ったときにその存在を知った赤十字社にならい,1877年博愛社を創設した。

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精選版 日本国語大辞典の解説

赤十字に関する諸条約の精神にのっとり、医療・救難・社会事業などを目的とする団体。明治一〇年(一八七七)佐野常民等の設立した博愛社を前身とする。同二〇年に日本赤十字社と改称、昭和二七年(一九五二)日本赤十字社法に基づく特殊法人となる。標章として白地に赤の十字を使用する。日赤。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

1864年のジュネーヴ条約(赤十字条約)に基づき,傷病者の救済・治療などにあたる国際的な社会事業団体
1877年の西南戦争の際,佐野常民 (つねたみ) らが組織した博愛社に始まり,'86年赤十字条約に加盟,翌年現名称になる。佐野が初代社長。戦時中軍部の統制下,戦時衛生勤務につき軍事的性格の強いものであった。第二次世界大戦後は,人道的見地から災害救護・医療などの社会福祉事業を行う。

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世界大百科事典内の日本赤十字社の言及

【佐野常民】より

…佐賀藩士,日本赤十字社の創立者。藩命により京都,大坂へ遊学。…

【従軍看護婦】より

…戦地で傷病兵の看護に当たり,軍の指揮系統に属する看護婦。日本では,日本赤十字社の前身である博愛社がすでに西南戦争に際して看護人(男性)を熊本や長崎に送っている。日清戦争が起きると日本赤十字社は自社で養成した看護婦を臨戦地の宇品,広島へ派遣した。…

※「日本赤十字社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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