〈しょうしゅく〉とも読まれ,古代中国において天球上の28の星座を意味する二十八宿のことであるが,仏教の尊像としては〈星宿〉より〈宿曜(しゆくよう)〉という語があり,二十八宿をはじめ十二宮,七曜および九曜なども含め,星や星座を神格化した諸尊を総称していう。これらは単独で信仰され造像されることはないが,密教の修法である北斗七星法に用いる北斗曼荼羅(星曼荼羅)の中に表される。北斗曼荼羅は一字金輪仏頂を本尊とする3重の曼荼羅で,内院に本尊とそれをとりまく北斗七星7尊と九曜9尊,第二院に十二宮の12尊,外側の第三院に二十八宿28尊を描く。一字金輪仏頂のかわりに妙見菩薩を本尊とする例も《図像集》に説かれている。十二宮と二十八宿とは胎蔵界曼荼羅の外金剛部院の中にも配置されている。経典には尊像の形像を明確には説いていないが,胎蔵界図の中の二十八宿は菩薩形の座像として表されている。なお近年の仏像の分類において,北斗曼荼羅に登場する北斗七星,九曜,十二宮,二十八宿と妙見菩薩などの星や星座に関連ある尊像を一括して,〈星宿部〉の諸尊とする試みが行われ始めている。
執筆者:関口 正之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…〈しょうしゅく〉とも読まれ,古代中国において天球上の28の星座を意味する二十八宿のことであるが,仏教の尊像としては〈星宿〉より〈宿曜(しゆくよう)〉という語があり,二十八宿をはじめ十二宮,七曜および九曜なども含め,星や星座を神格化した諸尊を総称していう。これらは単独で信仰され造像されることはないが,密教の修法である北斗七星法に用いる北斗曼荼羅(星曼荼羅)の中に表される。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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