最低賃金法(読み)サイテイチンギンホウ

デジタル大辞泉 「最低賃金法」の意味・読み・例文・類語

さいていちんぎん‐ほう〔‐ハフ〕【最低賃金法】

労働者労働条件改善などを図るため、賃金の最低額を保障し、その決定方式について定めている法律昭和34年(1959)制定

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精選版 日本国語大辞典 「最低賃金法」の意味・読み・例文・類語

さいていちんぎん‐ほう‥ハフ【最低賃金法】

  1. 〘 名詞 〙 労働者に最低賃金を保障し、労働者の労働条件を改善しようとする法律。昭和三四年(一九五九)制定。同四三年改正。最低賃金法制定の要求はすでに大正期後半からあり、賃金統制令(昭和一五年)に最低賃金の規定がおかれたこともあるが、実質的意義は薄かった。最賃法。〔現代語大辞典(1932)〕

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百科事典マイペディア 「最低賃金法」の意味・わかりやすい解説

最低賃金法【さいていちんぎんほう】

日本最初の実質的な最低賃金制を規定した法律(1959年公布)。主として業者間協定による最低賃金を法定最低賃金とする趣旨の,他国に類をみない制度であったため,労働組合等の反対が強かった。1968年の改正により,業者間協定の方式は廃止され,各都道府県の地方最低賃金審議会の調査審議に基づき行政官庁が決定する方式に改められ,形式的には労使対等の条件をみたすことになった。2004年10月時点の地域別最低賃金は,時給で東京都710円,神奈川県708円から,青森県・岩手県・秋田県・佐賀県宮崎県・長崎県・沖縄県の606円にまでわたっている(全国加重平均は665円)。
→関連項目労働基準法労働法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最低賃金法」の意味・わかりやすい解説

最低賃金法
さいていちんぎんほう

昭和 34年法律 137号。一般水準より賃金が低い労働者の労働条件向上と生活の安定をはかるため業種職業または地域に応じてその賃金の最低額を保障する法律。最低賃金は厚生労働大臣または地方労働基準局長が労働協約あるいは中央ならびに地方最低賃金審議会の調査および審議に基づいて決定する。実際には後者の方式による都道府県単位の地域別最低賃金が中心となっている。最低賃金が決まれば使用者はその最低賃金額以上を支払う義務を負い,もし違反すれば処罰される。個々の労働者との契約で最低賃金額に達しない賃金を定めても,その部分は無効となる。中央最低賃金審議会は 1978年の制度化以降毎年最低賃金を引き上げてきたが,2002年には初めて据え置きを答申した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「最低賃金法」の意味・わかりやすい解説

最低賃金法
さいていちんぎんほう

最低賃金制

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世界大百科事典(旧版)内の最低賃金法の言及

【最低賃金制】より


[日本における最賃制]
 第2次大戦前の日本には最低賃金制はなく,戦後,労働基準法で最低賃金に関し4ヵ条設けられたが,政府が〈必要があると認めるとき〉にのみ設けるという条項を盾に,1回も発動されなかった。1959年最低賃金法が成立したが,それは業者間協定を中心とするもので(9,10条),真の最低賃金立法にはほど遠いものであった。68年この部分が削除されて,やっと本来の立法の形となったが,中心は最低賃金審議会への諮問を得て,業種別に決定されるものであった。…

【賃金審議会】より

…有効な団体交渉機関が欠如している業種にこれを設けて,労使代表の団体交渉の代用品として運用することを主眼としている。 日本では,1959年の最低賃金法制定以前には労働基準法に基づく諮問機関として,中央賃金審議会(労働大臣の諮問機関)と地方賃金審議会(都道府県労働基準局長の諮問機関)との2種の賃金審議会があったが,最賃法制定によって,賃金審議会は最低賃金審議会に,中央と地方の各賃金審議会は,それぞれ中央最低賃金審議会,地方最低賃金審議会になった。両審議会とも,労・使各代表と学識経験者おのおの同数で構成されるが,権限はあくまでも諮問に応ずることに限定される。…

【労働法】より

…1947公布),保険制度を利用した労働災害補償制度を設立し(労働者災害補償保険法。1947公布),最低賃金の決定手続を定め(最低賃金法。1959公布),さらに企業における安全衛生体制の確立と安全衛生基準の整備を図るほか(労働安全衛生法。…

※「最低賃金法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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