有償契約・無償契約(読み)ゆうしょうけいやくむしょうけいやく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有償契約・無償契約
ゆうしょうけいやくむしょうけいやく

当事者双方が互いに対価的意味をもつ給付(出捐(しゅつえん)=経済的負担を負うこと)をする契約を有償契約、そうでないものを無償契約という。
 民法の規定する典型契約(有名契約)では、売買・賃貸借・利息付消費貸借・雇用・請負・有償委任・有償寄託が前者、贈与・使用貸借・無利息消費貸借・無償委任・無償寄託が後者に属する。有償契約と無償契約とでは、契約の成立や効力について違った取扱いがなされることがあり、一般的にいうと、有償が原則である今日の社会では、無償契約のほうが効力が弱い。
 なお、有償契約・無償契約の区別は、双務契約・片務(へんむ)契約の区別と混同されてはならない。後者の区別は、当事者双方が互いに対価的意義を有する「債務」を負担するかどうかの区別であり、それと「出捐」の有無を問題にする前者の区別とは異なる。たとえば、利息付消費貸借は、借り主だけが債務(返還債務)を負うので片務契約であるが、貸し主はすでに物を貸すという出捐をしており、それと借り主の利息の支払いという出捐とは対価的意味を有しているので、有償契約である。[淡路剛久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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