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李登輝 りとうきLi Deng-hui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

李登輝
りとうき
Li Deng-hui

[生]1923.1.15. 台北
台湾の政治家。総統(在任 1988~2000)。日本の京都帝国大学に学んだのち,1948年台湾大学農業経済学部卒業。1952年アメリカ合衆国に留学,農業経済学を専攻した。1953年台湾に戻ったのち台湾大学で教鞭をとる一方,台湾省農林庁や台湾農業復興委員会の幹部を歴任。1965年アメリカのコーネル大学に留学,1968年に博士号を取得。帰国後,農業復興委員会に戻り,台湾農業に関する意見が当時の行政院副院長,蒋経国に注目され,1972年行政院政務委員に任命された。1978年台北市市長,1981年台湾省政府主席。1984年5月蒋経国の推薦により中華民国副総統に就任,1988年1月13日蒋経国の死去により,初めて本省人の総統となった。同 1988年7月に中国国民党主席に就任した。以後,台湾政治の民主化,本土化が急速に進められ,大陸との交流もしだいに拡大したが,共産党の統一交渉の呼びかけに対して「交渉しない,談判しない,妥協しない」の三不政策を堅持し,外交面において経済力を背景に「弾性外交」「二重承認」を進めた。1996年3月,台湾初の総統直接選挙で当選を果たすと,台湾の民主化ならびに独自化を推進。1999年には中国と台湾を「国と国との関係」と規定した中台「2国論」を発表,中国の反発を招いた。2000年3月の総統選挙で連戦を擁立した国民党は民主進歩党に大敗,その責任をとり党主席を辞任した。

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デジタル大辞泉の解説

り‐とうき【李登輝】

[1923~ ]台湾の政治家。日本統治下の台湾に生まれ、京都帝国大学農学部で学ぶ。第二次大戦後は中国国民党に反発していたが、農業の専門家として蒋経国に抜擢され、1971年に入党。以降、累進し1984年に蒋の副総統となる。1988年、蒋の死去により総統に。1996年、初の直接選挙にも勝利し2000年まで務める。退任後は台湾独立の主張を強め、2001年に国民党を除籍された。

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百科事典マイペディアの解説

李登輝【りとうき】

台湾の政治家。台北県出身。京都大,台湾大卒。米コーネル大で農学博士号を取得。1956年台湾大助教授。1972年行政院政務委員として政界に入る。台北市長,台湾省政府主席を歴任し,1984年副総統,1988年1月蒋経国総統の死去により,総統に就任。
→関連項目辜振甫二・二八事件

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

李登輝
りとうき / リートンホイ
(1923― )

台湾(中華民国)の政治家。学者。1988年から2000年まで総統を務める。台北(タイペイ)市北郊(台北県三芝郷)の農家に生まれる。日本統治下で旧制の台北高等学校を卒業後、京都帝国大学(現京都大学)農学部農林経済学科に入学、戦争のため砲兵(高射砲隊)に志願した。第二次世界大戦後は台湾大学で農業経済学を専攻し、卒業後、アメリカのアイオワ州立大学に留学、1968年にはコーネル大学で博士号を取得。学位論文「台湾における農工間の資本流通」は、全米農業経済学会最優秀論文としてたたえられた。前後20年にわたって台湾大学で教鞭(きょうべん)をとりつつ農業改善に貢献、その手腕を総統蒋経国(しょうけいこく/チヤンチンクオ)に認められて行政院政務委員(国務大臣)に抜擢(ばってき)されたのち、1978年台北市長、1981年台湾省主席となり、1984年副総統に就任した。1988年1月、蒋経国の死により台湾出身の最初の総統に就任し、同年7月中国国民党党主席に選出される。以後、自由・民主・均富という「現代の三民主義」を掲げて中華民国の台湾化と政治制度の民主化に尽力し、1996年3月には総統・副総統の直接選挙を中国史上初めて実現した。このような民主主義の大実験に対して中国政府は三次にわたるミサイル実射演習などの「文攻武嚇」の圧力を加えたが屈せず、圧倒的多数を得て当選した。台湾の民主化と台湾人としてのアイデンティティーの形成に努めたが、1999年7月には中国との関係を「特殊な国と国との関係」と発言し、中国側の猛反発を受け、両岸関係の緊張は高まった。その後、李登輝の後任を決める2000年3月の総統直接選挙で、国民党候補の連戦(れんせん/リエンチャン)が民主進歩党(民進党)の陳水扁(ちんすいへん)候補に大敗したため、率先して党主席を辞任した。台湾の今日の発展をリードした学者政治家としてその名声は高く、「愛心と信心」をモットーとするクリスチャンでもある。[中嶋嶺雄]
『李登輝著『愛と信仰――わが心の内なるメッセージ』(1989・早稲田出版) ▽李登輝著『台湾の主張』(1999・PHP研究所)』

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