日本大百科全書(ニッポニカ) 「東伊豆」の意味・わかりやすい解説
東伊豆(町)
ひがしいず
静岡県東部、賀茂郡(かもぐん)にある町。伊豆半島の東海岸に位置する。1959年(昭和34)稲取(いなとり)町と城東(きとう)村が合併して改称。北部に天城(あまぎ)連峰の主峰万三郎(ばんざぶろう)岳、万二郎(ばんじろう)岳がそびえ、山地が急斜面をなして海岸に迫り、平地は狭小。海岸線に沿って伊豆急行線、国道135号が通じる。温暖多雨の気候を利用して柑橘(かんきつ)栽培が盛ん。また、カーネーションなどの花卉(かき)栽培や養豚も行われ、イチゴ、ワサビを特産する。稲取港は東海岸の中心的な漁業基地。伊豆急行の開通で急速に発展し、熱川(あたがわ)、稲取、大川、北川(ほっかわ)、白田(しらだ)、片瀬の六つの温泉は東伊豆まち温泉郷をなす。熱川バナナワニ園、ゴルフ場、伊豆アニマルキングダム、海水浴場、観光農園など観光施設が整備され、多くの観光客が訪れる。面積77.81平方キロメートル、人口1万1488(2020)。
[川崎文昭]
『『東伊豆町誌』(1989・東伊豆町)』